内臓脂肪を減らす方法とは? 食事と運動の重要ポイントを解説
体脂肪の中でも、内臓脂肪は生活習慣病のリスクを高めることがわかっています。この記事では、内臓脂肪による健康リスクや増える原因、減らす方法について解説します。
この記事を読めば、内臓脂肪を減らして健康リスクを下げる具体的な方法がわかるので、内臓脂肪を減らしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Toggle内臓脂肪とは
最初に内臓脂肪とは何か、内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満の違いについて解説します。
内臓脂肪は内臓まわりに溜まった脂肪
内臓脂肪とは、腹腔内の内臓のまわりに蓄積された脂肪のことです。より詳細にいうと、腹腔内には内臓を包み込んでいる「腹膜」という膜があり、腹膜の表面に付いた脂肪を内臓脂肪といいます。
内臓脂肪は女性より男性の方がつきやすいといわれ、蓄積されると腹部がふくらみ、お腹が出ているように見えます。
内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満
脂肪が多く蓄積されると肥満とされますが、肥満には内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満があります。内臓脂肪型肥満は内臓脂肪が蓄積される肥満です。内臓脂肪が男性につきやすいことから比較的男性に多く見られ「リンゴ型肥満」と呼ばれます。
一方で皮下脂肪型肥満とは、皮膚と筋肉の間の皮下脂肪が蓄積された肥満です。皮下脂肪は男性より女性の方がつきやすいといわれています。皮下脂肪型肥満は比較的女性に多くみられ「洋ナシ型肥満」と呼ばれます。
内臓脂肪が増えることによる健康リスク
内臓脂肪型肥満はメタボリックシンドロームと呼ばれ、生活習慣病のリスクを高めることから、注意喚起されています。内臓脂肪はアディポサイトカイン(生理活性物質)の分泌異常をもたらすことがわかっており、高血糖、高脂血症、高血圧の原因となります。
血糖値の上昇
アディポサイトカインの一種であるアディポネクチンには、インスリンの感受性を向上させる働きがあります。インスリンは、標的臓器(筋肉・脂肪・肝臓)に作用して、血糖の取り込みを促進するホルモンです。
インスリンの感受性が高いと、血糖が標的臓器に正常に取り込まれるため、血糖値も安定します。一方でインスリンの感受性が低下すると、血糖が標的臓器に取り込まれにくくなる上に、肝臓の糖新生(糖を作り出す働き)を抑えられなくなります。
つまり、血液中には取り込まれなかった糖があるにも関わらず、糖新生でさらに糖を増やしてしまうため血糖値が上昇するのです。
内臓脂肪が増えるとアディポネクチンの分泌が減ることがわかっており、インスリン感受性を低下させてしまいます。これが続くと糖尿病を発症する恐れがあります。
高脂血症
内臓脂肪が増えると血液中に分泌される中性脂肪が増え、HDL(善玉)コレステロールが減少し、LDL(悪玉)コレステロールが増加することがわかっています。
血液中の中性脂肪やLDLコレステロールが高い場合やHDLコレステロールが低い場合、高脂血症(脂質異常症)と診断される場合があります。
高脂血症は動脈硬化を招くことがあり、動脈硬化は脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、狭心症などにつながる可能性があるため注意が必要です。
高血圧
先述したように、内臓脂肪が増えるとアディポネクチンの分泌が減少しインスリン感受性を低下させ、高血糖を招いてしまいます。このとき、血糖を標的臓器に取り込ませて高血糖を抑えるために、インスリンが過剰に分泌されます。
インスリンが過剰に分泌されるとナトリウムの再吸収が促進されて、血液中のナトリウムが増加します。増加したナトリウム濃度を薄めるために血管内の水分が増えて、血圧が上昇してしまうのです。
また、過剰に分泌されたインスリンにより交感神経が刺激されることで末梢血管を収縮させ、さらに血圧を上昇させます。これらの要因により、内臓脂肪増加は高血圧につながる場合があります。
内臓脂肪が増える原因
先述したように、内臓脂肪が増加すると、さまざまな疾患のリスクが高まります。では、内臓脂肪が増える原因は何でしょうか。
食べ過ぎ
内臓脂肪が増える原因の1つは、食べ過ぎです。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余分なエネルギーは脂肪として蓄積されます。食事量が多かったり高カロリーの食品を過剰に摂取したりすると、脂肪が多く蓄積されて内臓脂肪が増える場合があります。
男性は内臓脂肪がつきやすい上に、高カロリーの食事を好む人が多いです。特にラーメンや焼き肉、揚げ物など、高カロリーの食品を日常的に食べている人は、気をつけなければなりません。飲酒の習慣がある場合、ビールやカクテルなどのお酒にカロリーが含まれている上に、高カロリーのつまみを好む傾向があるため注意が必要です。
運動不足
運動不足による消費カロリーの低下も内臓脂肪増加の原因です。日常的に歩く距離が少ない、デスクワーク中心、運動習慣がない、などに当てはまる人は消費カロリーが少ないため、内臓脂肪がつきやすくなります。
また、運動習慣がないことや加齢によって筋肉量が低下すると、基礎代謝量が低下して消費カロリーが低下します。基礎代謝とは仰向けに寝て、安静にしている状態でも消費されるカロリーのことです。筋肉は維持するだけでもカロリーを消費するため、筋肉量が低下すると基礎代謝が低下して脂肪がつきやすくなります。
運動不足の人は、運動量が少ないことと基礎代謝量の低下によって消費カロリーが低下し、内臓脂肪がつきやすくなってしまうのです。
遺伝
遺伝も内臓脂肪が増える原因の1つです。基礎代謝の調節を行っている遺伝子があり、生まれつき基礎代謝量が少ない体質の人がいます。
特に家族に内臓脂肪型肥満が多い場合は、自分自身もなる可能性があるので注意しましょう。
ストレス
ストレスを感じると、ストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌されます。コルチゾールは、脂肪細胞に脂肪を蓄積しやすくする作用があり、内臓脂肪を増やす原因になります。
またコルチゾールは食欲を抑制する働きのあるホルモンの「レプチン」を減少させるため、食欲を抑えにくくなってしまいます。食欲を抑えられなくなることで食べ過ぎてしまうと、内臓脂肪が増加するリスクが高まります。
内臓脂肪を減らすには
最後に内臓脂肪を減らす方法を解説します。内臓脂肪を減らして生活習慣病にかかるリスクを低減しましょう。
食事内容の見直し
食べ過ぎによって内臓脂肪が増えている場合は、食事内容の見直しが必要です。食事の栄養バランス、総カロリー量を見直し改善を図りましょう。
脂肪になりやすいのは糖質と脂質です。ご飯やパン、麵類などの糖質を減らしたり、ラーメンや揚げ物のような脂質が多い食事を減らしたりしましょう。毎食少し減らすだけでも、効果があります。
またタンパク質は1gあたり4kcalあるものの、脂肪になりにくく筋肉の維持・成長に必要な栄養素のため積極的に取りましょう。筋肉が減ってしまうと基礎代謝が下がって内臓脂肪が減りにくくなってしまいます。ビタミンやミネラルは脂肪の代謝に関わるため、内臓脂肪を減らすために欠かせません。ビタミンやミネラルも意識して取るようにしてください。
その他にも規則正しい食事時間やよく噛んでゆっくり食べることも重要です。
有酸素運動
有酸素運動とは、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳のように、ゆっくりのペースで長時間行う運動のことです。
有酸素運動は、主に脂肪を分解してエネルギーを作り出すため、内臓脂肪の減少に特に効果的です。エネルギーを消費して内臓脂肪を燃焼させるには、低い運動強度で長時間行うか、高い運動強度で短時間行うことになります。
できるだけ強度の高い運動を長く行った方が効果があるものの、一番重要なのは継続することです。体力や生活リズムに合わせて継続可能なものを選択しましょう。体力が向上するにつれて、無理なく強度や時間を増やしてください。
レジスタンストレーニング
レジスタンストレーニングは、一般的に筋トレと呼ばれます。無酸素運動なので、運動の際に脂肪を消費させる効果は有酸素運動ほどありません。しかし筋肉量を増やす効果があるため、基礎代謝量を上げることができます。レジスタンストレーニングによって、基礎代謝量が増えれば太りにくく痩せやすい体になれるのです。
自宅で行う場合は、腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワットなどから始めましょう。効果を高めるには、全身を鍛えるメニューと正しいフォーム、適切な重量設定が必要なため、ジムに通ってトレーナーの指導を仰ぐことをおすすめします。
ストレスの軽減
先述したようにストレスが多いと、コルチゾールが分泌されることで脂肪が蓄積しやすくなったり食欲が抑えられなくなったりします。そのため、日常のストレスが多い人や、ストレス感受性が高い人は、ストレスを軽減するための行動を取りましょう。
例えば下記のような行動が挙げられます。
- ・ ストレスの原因となっている環境を是正する(人間関係・仕事の問題など)
- ・ 睡眠を十分にとる
- ・ 趣味を持つ
- ・ 親しい人との会話を楽しむ
- ・ 瞑想する など
ストレスの軽減方法は人それぞれ異なります。自分に合ったストレス軽減方法を探してみましょう。
まとめ
内臓脂肪が増えると生活習慣病のリスクが高まるので、対策が必要です。食事内容の見直しとともに、運動習慣を身につけましょう。有酸素運動・筋トレにはストレス発散効果もあります。
スポーツクラブNASでは有酸素運動もレジスタンストレーニングも、豊富なプログラムがあります。店舗によってはプールやヨガ、ゴルフもできるため、ストレスを発散しながら、飽きずに運動を続けられるでしょう。
内臓脂肪を減らしたい方はぜひ一度、 スポーツクラブNAS を見学してみてください。
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