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糖質による血糖値の急上昇を抑えるおすすめの食べ物|食べ方も解説

糖質による血糖値の急上昇を抑えるおすすめの食べ物|食べ方も解説
栄養・食事

糖質は人が生活していくうえで体のエネルギー源として働くため、なくてはならない栄養素です。しかし、摂りすぎると肥満、糖尿病といった病気のリスクの原因にもなるため、適度な量を摂取することが大切になります。また選択する食品や食べ方によっては、血糖値が急上昇することで体に負担をかけるおそれもあるため注意が必要です。

当記事では、糖質による血糖値の急上昇を抑えるおすすめの食べ物とおすすめの食べ方を紹介します。ぜひ、日常の食事に取り入れてください。

糖質によって血糖値が上がる仕組み

血糖値とは血液中のグルコースの濃度のことです。人間が糖質を摂取すると体内で消化吸収されてブドウ糖(グルコース)になり、血液中に入ることでエネルギーになります。そのため、健康な人でも食前と食後で血糖値に変化が生じるのは自然なことです。

通常、血糖値は食後2時間程度で空腹時と同じ値にまで戻りますが、血糖値が高いまま下がらない人もいます。血糖を組織に取り込む働きを持つインスリンがうまく作用しない場合、血糖値が下がらず糖尿病リスクが高まる可能性があるため注意が必要です。

また、血糖値が急激に上昇するとインスリンが過剰に分泌され、脂肪をため込みやすくなります。体内で血中のブドウ糖が過剰になると糖とタンパク質が結合して糖化が起こり、AGE(終末糖化産物)が生成され、シミやたるみ、肌のくすみや乾燥の原因になります。健康管理の面ではもちろん美容を考える上でも、血糖値を急激に上げない食材を知って毎日の食生活にうまく取り入れることが大切です。

血糖値の急上昇を抑える食べ物

血糖値を下げるためにおすすめの食べ物は多岐にわたります。一般的に血糖値の急上昇を抑える食べ物に共通しているのは、糖の吸収が緩やかである点と血糖値を下げることをサポートする作用がある栄養素を含んでいる点です。また、血糖値を下げるのに有効な食べ物は日々の食事に無理なく取り入れることが重要なので、スーパーマーケットなどで購入できるものから選ぶとよいでしょう。

以下では、血糖値の急上昇を抑える食べ物を6つのカテゴリに分けて紹介するので、参考にしてください。

穀類

白米や小麦のパンは主食として人気が高い一方で、血糖値の急激な上昇につながりやすいという特徴があります。白米や小麦のパンは、血糖値の急上昇を抑える働きがある以下の食品を混ぜる、もしくは置き換えるのがおすすめです。

玄米 白米と比較して食物繊維やビタミン、ミネラルなども豊富に含まれており、食後の血糖値の急上昇を抑えられます。
全粒粉パン 精白小麦粉のパンよりも食物繊維を多く含み、低カロリー、低糖質で血糖値の急な上昇を防ぎます。エネルギー代謝をサポートするビタミンB群やミネラルが豊富で、食べ応えもあるので食べすぎを抑制できる点もメリットです。
蕎麦 水溶性の食物繊維を多く含み、糖の吸収を穏やかにします。また血糖値だけでなく、血圧の降下作用や抗酸化作用も報告されている「ルチン」という成分が豊富に含まれています。

イモ類

イモ類は糖質が主成分なので、基本的に食べれば血糖値が上昇します。しかし、種類や調理方法によっては血糖値の急上昇を抑えることが可能です。

サツマイモ サツマイモの皮には血糖値の急上昇を抑える食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれているため、皮も一緒に食べるのがおすすめです。また、一度加熱したサツマイモを冷やすとでんぷんが食物繊維と似た働きをする成分に変化し、血糖値の急上昇を抑えてくれ、この効果は一度冷めたものを再加熱しても持続されます。
ジャガイモ ジャガイモには食物繊維が多く、白米に比べると血糖値が急上昇しにくいと言われています。ただし、ジャガイモには揚げ物やマヨネーズを使ったメニューなど高カロリーな調理方法が多いのが注意点ですが、蒸す・茹でる事、調理方法を変えることで糖度を抑えることができます。また、他の野菜やたんぱく質を多く含む食品と一緒に召し上がると、血糖値の急上昇を抑えることができます。

野菜類・果物類

血糖値の急上昇を防ぐためには、食物繊維が豊富に含まれる野菜や果物を積極的に摂るとよいでしょう。

ゴボウ ゴボウには食物繊維が特に多く含まれているほか、糖質の吸収を穏やかにする効果が期待される、クロロゲン酸という成分も豊富です。
玉ねぎ 玉ねぎに含まれるケルセチンには、血液をサラサラにし、血糖値を下げる効果があると言われています。
ブルーベリー ブルーベリーに含まれるアントシアニンは抗酸化作用を持ち、インスリンの感受性を高め、血糖値を下げる効果が期待されています。

魚介類・海藻類

青魚は血糖値を下げる効果が、海藻類は血糖値の上昇を穏やかにする効果が期待できる食べ物としておすすめです。

さんま 青魚の中でも血液をサラサラにする効果を持つDHAやEPAといった不飽和脂肪酸を多く含んでいます。これらの脂質は糖の代謝を改善するだけでなく、脂肪の代謝も促進させるため、血糖値の急上昇を抑えることができます。
わかめ 糖質の吸収を抑える水溶性食物繊維が豊富に含まれており、腸内でゲル状になる事により糖質の吸収を抑えることで食後の血糖値の上昇を抑えます。ただし、わかめにはヨウ素が多く含まれるため、甲状腺機能が低下している人は摂りすぎないように注意してください。

きのこ類

きのこ類は血糖値を下げる効果が期待できるほか、低カロリーで食べ応えがあり、食べすぎを防げるなどのメリットもあります。水溶性の食物繊維が豊富で便秘予防にもなり、糖や脂肪の排出を促す働きもあるため、日頃の食事でも積極的に摂取するとよいでしょう。

まいたけ インスリンの元となる亜鉛や血糖値の上昇を抑える働きを持つマグネシウムなどの成分が豊富に含まれている食べ物です。また朝食でマイタケを摂取すると次の食事後の血糖値を抑える効果(セカンドミール効果)も認められています。
ぶなしめじ 糖質や脂質の代謝を促すビタミンB1やビタミンB2が豊富に含まれており、脂肪の蓄積を抑制する効果も期待できます。

ナッツ類

ナッツ類は血糖値を下げる効果が期待できるほか、食物繊維が多く含まれており腹持ちがいいという特徴があります。またナッツに含まれる不飽和脂肪酸にはインスリンの反応を良くして血糖コントロールを助ける作用もあります。ただし、ナッツ類は高カロリーで塩分を多く含むものが多いため、食べるときには適量を心がけてください。

アーモンド アーモンドをはじめとするナッツ類は糖質が少ないほか、抗酸化作用のあるビタミンEやマグネシウムなど、血糖値の調整に役立つ栄養素も豊富に含まれています。
ハイカカオチョコレート カカオチョコレートは通常のチョコレートと比べて糖分が少なく、カカオに含まれるポリフェノールには血糖値の調整機能を助ける働きがあります。おやつに選ぶ場合はカカオ70%以上のチョコレートがおすすめです。

糖質による血糖値の上昇を抑える食品の食べ方

血糖値の上昇を抑えるには、何を食べるかだけではなく、どのように食べるかを見直すことも大切になります。以下では、誰でもすぐに実践できる、糖質による血糖値の上昇を抑える食品の食べ方を3つ紹介するので、ぜひ食生活に取り入れてみてください。

野菜とタンパク質・食物繊維の豊富なものから食べる

食事の際に野菜から食べ始めることを「ベジファースト」と表現することがあります。野菜には食物繊維が多く含まれており、糖の吸収を抑える効果が期待できるため、ベジファーストの考え方は血糖値の急上昇を抑える目的としても効果的です。

また、最初にタンパク質を多く含む食品を摂取することで、胃の動きが緩やかになり食後の血糖値の急上昇が抑えられると言われています。そのため、食事は野菜、肉類・豆類などのタンパク質、米・麺・パンなどの炭水化物、といった順番で食べるのがおすすめです。

果物を召し上がる場合は果物に含まれる食物繊維が主食からの糖質の吸収を遅らせたり、酵素が消化を助け食後の血糖上昇を穏やかにするため、お食事の前に召し上がることをおすすめします。もし食後に召し上がる場合は夕食後のデザートとしての摂取はなるべく控えめにして、日中の活動時間帯に召し上がるのがおすすめです。

ゆっくりよく噛んで食べる

インスリンは、腸から吸収される糖の量に基づいて分泌されます。早食いをして糖が一気に腸内に運ばれた場合、短時間で血糖値が上昇することにつながるため注意が必要です。また、早食いをすると脳が満腹だと感じる前に食べすぎてしまう恐れがあります。

一方、ゆっくりよく噛んで食べた場合は咀嚼の回数が増えて満腹感が増し、食べすぎ防止になると同時に血糖値の急上昇も防げます。早食いしやすい人は1口につき30回噛むことと、1回の食事に15分かけることを目安に食事を摂るとよいでしょう。

決まった時間に食事をとる

空腹になりすぎてから食事をすると食べすぎにつながりやすいほか、血糖値が急上昇する危険もあります。また、インスリンの過剰分泌を招いて脂肪をため込みやすい体になる可能性があるため注意が必要です。

血糖値が安定しやすいのは5~6時間間隔で決まった時間に食事を摂ることだと言われています。特に朝食を抜きやすい人は多いので、3食を規則正しく摂るように意識しましょう。

まとめ

人は糖質を摂ると体内でブドウ糖まで消化されブドウ糖が血液中に入ることで、血中の糖質量が多くなり血糖値が上昇します。血糖値の急上昇は血管を傷つけるだけでなく、大量にインスリンが分泌され脂肪をため込みやすくなります。そのため、急激に血糖値を上げないよう食べるものや食べ方に注意することが大切です。血糖値の急上昇を抑える食物繊維の多い食品や糖質の少ない食品を最初に摂取しましょう。また、乳製品は消化に時間がかか り満腹中枢を刺激するので、血糖値の急上昇を抑えることができます。食事の前に牛乳を飲んだり、プレーンヨーグルトを召し上がるのもおすすめです。

血糖値は食後の運動でも低下すると言われています。運動する場にはスポーツジムの活用がおすすめです。運動や食事指導の専門家であるトレーナーが在籍しているスポーツクラブNASの店舗に、ぜひお問い合わせください。

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市谷 直美

監修者情報

市谷 直美スポーツクラブ NAS 株式会社 管理栄養士

大学院で栄養学を専攻し、管理栄養士と調理師の資格を取得。
スポーツクラブ NAS でフロント業務を担当しながら栄養指導や社内情報誌の執筆を行う。現在は保育園児の母として育児に奮闘しながら、幅広い年代のお客様のトレーニングと食事面のサポートに携わっている。

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