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反り腰の原因と症状|改善するためのエクササイズも紹介

反り腰の原因と症状|改善するためのエクササイズも紹介

健康

なかなか治らない腰痛や肩こりに悩んでいる場合、もしかしたら反り腰が原因かもしれません。反り腰とは、何らかの原因で腰が本来の形より反ってしまっており、それが他の部位に影響を与えている状態を指します。今回の記事では、反り腰の原因やその改善方法について、具体例を交えながら詳しく解説します。

反り腰とは

はじめに、反り腰とは具体的に身体がどんな状態になっているのかを確認しましょう。

背骨は自然なS字カーブが正常

反り腰とは、腰が通常よりも反ってしまっている状態のことを指します。通常、人間の背骨は横から見ると自然なS字カーブを描いています。これがクッションの役割を果たし背骨にかかる重力を分散し、重い頭を支えているのです。

反り腰のように自然なS字カーブが失われてしまうと、背骨のクッション機能が十分に利かなくなり、身体に負担がかかって周辺の筋肉が緊張したり痛みが出たりしてしまうことがあります。

反り腰は骨盤前傾の状態

背骨の数は上から頸椎が7個、胸椎が12個、そして腰椎が5個で形成されています。頸椎→胸椎→腰椎の順に前弯→後弯→前弯となっており、緩やかなカーブを描いています。それぞれ身体を支える重要な骨ですが、特に大きな役割を果たしているのが腰椎です。腰椎を連結している椎間板や椎間関節が動くことで、体を曲げたり伸ばしたりすることができます。

反り腰とは、この5個の腰椎の前弯が強くなった状態のことを言います。前弯が強くなると腰椎とつながる骨盤が前方に傾いてしまいます。骨盤がゆがめばお腹やお尻の筋肉がうまく使えずボディラインがたるんで見えたり、太ももが大きく発達してしまったりするので、反り腰は単に「腰が悪い」だけで済む問題ではありません。

骨盤後傾も姿勢が悪い

反り腰は「骨盤前傾」の状態ですが、骨盤が後ろに傾きすぎる「骨盤後傾」も体の状態として望ましくありません。骨盤は基本的にはやや前傾しているため、後傾して丸まってしまっている状態は自然な形とは真逆といえます。骨盤が後傾すると重心が後ろにずれるため、それを支えようとして猫背になりがちです。猫背になると顎が前に出てしまい、ストレートネックを引き起こすことも。慢性的な首の痛みや肩こりの原因になりかねません。

骨盤後傾の原因としては普段の座り姿勢が挙げられます。椅子に浅く腰掛けた状態で背もたれによりかかると、自然と骨盤は後傾します。こうした何気ない日常の動作でも骨盤後傾が起きてしまうので、座る際にも注意が必要です。

反り腰によって現れる不調

反り腰は、人間の本来の自然な背骨の形ではありません。そのまま放っておけば周辺部位に負荷がかかり続け、さまざまな不調が出る可能性があります。例えば、下記のような影響が出るおそれがあります。

慢性的な腰痛

通常、人間はお腹の筋肉と背中の筋肉を使って身体を支えています。しかし、反り腰になると背中側の筋肉ばかりに負担が偏ってしまい、オーバーユースしやすいのです。腰の筋肉が常に緊張した状態になると、血行が悪くなることも。また、血行不良を放置すると筋肉にたまった疲労物質がうまく流れなくなり、筋肉の炎症や疲労を引き起こしやすくなります。慢性的に疲れや痛みを感じるなどの悪影響も出てくる可能性が高まります。

痛みが常にある状態だと、ストレッチやエクササイズをするのも億劫になりがちです。腰痛改善のために体を動かそうと思っても、それがなかなかできずに回復のタイミングを逃す、という負のループに陥りかねません。また、専門家の治療や指示を受けながら体を動かさないと、さらなるケガのおそれもあります。

立ち姿が悪くなる

健康上の悪影響ではありませんが、骨盤前傾になると姿勢が悪く見えるという難点もあります。例えば反り腰はぽっこりお腹の原因になることがあります。腰が反っているためお腹になかなか力が入らなくなり、次第に腹筋が弱り下腹部が目立つようになってしまうのです。

腹筋に力が入らなくなると内臓もだんだんと下垂して、よりお腹が出ているように見えてしまいます。また、骨盤が前傾すると太ももの前の筋肉が常に引っ張られます。常に負荷がかかる状態なので、次第に筋肉が鍛えられ太ももが太くなり立ち姿が悪くなる一因になるのです。

腰部脊柱管狭窄症

背中の24個の椎骨にはリング状になっている部分があり、その中に脳からつながる神経(脊髄)が通っています。椎骨同士は椎間板でつながれ、それらが連なったトンネル状の管のことを脊柱管と呼びます。脊柱管の中には脊髄を保護する役割を持つ脊椎がありますが、この脊椎が変形し、脊柱管が狭くなってしまう症状が腰部脊柱管狭窄症です。

脊柱管が狭くなると神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こします。長期間の歩行が難しくなるなど運動に著しい影響を及ぼしかねない、深刻な病気といえます。そんな腰部脊柱管狭窄症を引き起こす原因はいろいろありますが、反り腰もその一つです。腰椎の前弯が強くなりすぎることで脊柱管がゆがんでしまうことがあります。

梨状筋症候群

人間の臀部には梨状筋と呼ばれる筋肉があります。骨盤から足に向かって伸びる坐骨神経が通るトンネルのような筋肉です。この筋肉に負荷がかかり硬くなってしまうと、坐骨神経をつぶしてしまい痛みやしびれを引き起こします。これが梨状筋症候群と呼ばれる症状です。梨状筋症候群の症状は、主にお尻の外側の痛み、太ももの後ろ側のしびれです。

骨盤が前傾すると、梨状筋が通常の位置よりも引き伸ばされます。その状態が続くと梨状筋への負荷が大きくなり、筋肉が徐々に硬くなっていくため、早急に反り腰を改善する必要があります。

反り腰の他には、スポーツや肉体労働によるオーバーユースなども原因として挙げられます。

反り腰になる原因

このように反り腰は身体にいろいろな影響をもたらします。これらのリスクを避けるためにも、反り腰に直結する原因を知っておきましょう。

腹筋が弱っている

人間が姿勢を正しい位置に保つには、抗重力筋と呼ばれる筋肉の力が必要です。抗重力筋にはお腹や背中、お尻、そして太ももの筋肉があり、これらが重力に抗って体重を支えることで姿勢がキープされます。これらの筋肉が衰えると次第に姿勢が乱れていき、さまざまな不調が現れます。

中でも反り腰につながるのはお腹の筋力の低下です。腹筋には体を前屈させる作用があるのですが、それが衰えると常に背中側の筋肉に引っ張られてしまい、骨盤の前傾へとつながります。腹筋の支えがない状態でなんとか姿勢を保とうとすると、背筋が頑張りすぎてしまいゆがみが生まれてしまうのです。

腰の筋肉が緊張している

先述のように、反り腰は身体の前側と背中側の筋力のアンバランスさによって引き起こされます。そのため、例え腹筋に十分な筋力があっても、背中や腰など背面の筋力が大きく上回る場合にも反り腰のリスクがあります。

背中側ばかりに力が集中し続けると、やがてオーバーユースとなり常に緊張状態になってしまいます。すると痛みを感じはじめたり、ぎっくり腰になったりと健康上の悪影響があります。そのためトレーニングなどで日々体を動かしている人も、「自分は鍛えているから大丈夫」と判断するのは早計です。筋肉をバランス良く鍛えないと、反り腰になる可能性は十分あります。

体重が増加してお腹が出た

体重が増加してお腹が出た

急な体重増加にも注意が必要です。脂肪が付きやすい箇所は年齢や性別によって異なりますが、お腹周りは脂肪が比較的蓄積しやすい部位です。そのため、急に太ったときにはお腹がぽっこりと突き出しやすく、その突き出たお腹を支えようとして身体は自然と腰を反ります。その姿勢がずっと続くことで、反り腰へとつながっていくのです。

女性の場合、妊娠がきっかけで反り腰になることもあります。妊娠中期ごろになると段々お腹が出てきて、重心が前にかかりやすくなります。妊娠後期になるとさらに体重が増えてくるので、腰への負担も増えていきます。

股関節の前側が硬くなっている

反り腰はお腹周り、腰周りの筋肉の問題だけで引き起こされるのではなく、股関節の筋肉が影響することもあります。股関節には、腰と太ももを結ぶ腸腰筋と呼ばれる筋肉があります。股関節を動かしたり、姿勢を支えたりする重要な筋肉です。この筋肉が硬くなると股関節が柔軟に動かなくなり、骨盤が前に引っ張られるようになります。

腸腰筋が硬いまま過ごしていると反り腰が誘発され、背中側の筋肉の緊張や腰痛などが起こりやすくなります。骨盤のゆがみにもつながるので、女性は生理痛がひどくなることもあります。

ヒールの高い靴を履いている

ヒールの高い靴を履いている

ブーツやハイヒールなど、かかとが高い靴を常に履くのも反り腰の原因の一つです。人間の身体には「重心線」と呼ばれるものがあります。通常であれば立った状態の重心線は体の中心に位置しますが、ヒールの高い靴を履くと前方へとずれます。すると、身体はそのバランスを取ろうとして上半身を後ろに反らします。

ヒールを履くのが年に数回、という頻度であればそれほど問題にはならないでしょう。しかし、日常的にヒールを履く人は注意が必要です。常に上半身が後ろに反った状態が続くと、背中側の筋肉への負担が大きく、反り腰になってしまいかねません。

反り腰を改善するエクササイズ

もし反り腰になってしまったときには、下記に紹介するエクササイズやストレッチで改善が目指せます。

キャットアンドカウ

キャットアンドカウは、ヨガのポーズの一つです。背骨を動かすストレッチで、その仕草が猫(cat)と牛(cow)に似ていることにちなんで呼ばれます。

1.両手を肩の真下、両膝を足の付け根の真下に置いて四つん這いの姿勢をとります。両手と両膝の幅は肩幅程度を意識してください。

1.両手を肩の真下、両膝を足の付け根の真下に置いて四つん這いの姿勢をとります。両手と両膝の幅は肩幅程度を意識してください。

2.鼻からゆっくり息を吸い、口から吐くと同時に背中を丸めます。両手と両膝の位置はそのままで、おへそを見ます。

2.鼻からゆっくり息を吸い、口から吐くと同時に背中を丸めます。両手と両膝の位置はそのままで、おへそを見ます。

3.息をゆっくり吸いながら背中を反らせます。

3.息をゆっくり吸いながら背中を反らせます。

2~3の流れを1セットとして、呼吸を意識しながら5~8回繰り返しましょう。

クランチ

腹直筋を鍛え、骨盤を適切なバランスで支えられるようにするトレーニングです。

1.仰向けに寝て、膝を曲げた状態で脚を持ち上げます。

1.仰向けに寝て、膝を曲げた状態で脚を持ち上げます。

2.頭の後ろで手を組み、上体をゆっくり持ち上げます。鼻から息を吐きながら、背中をしっかりと丸めます。おへそを覗き込むように意識するとよいでしょう。

2.頭の後ろで手を組み、上体をゆっくり持ち上げます。鼻から息を吐きながら、背中をしっかりと丸めます。おへそを覗き込むように意識するとよいでしょう。

3.腹筋を収縮させた状態で数秒身体を止め、鼻から息を吸いながら、上体をゆっくり下ろします。頭は床につかないよう注意してください。

10~15回を1セットとし、1日3セット行います。クランチをするときに意識してほしいのが、しっかり腹筋を使って上半身を持ち上げることです。肘を前方に出すことばかりに意識がいってしまうと腹筋の収縮が十分にできず、期待するような効果が得られないことがあります。

大腰筋ストレッチ

大腰筋とは腸腰筋を構成する筋肉の一つです。背中と太ももを繋ぐ筋肉で、骨盤を支えるのに重要な筋肉です。

1.片足を前にして前後に脚を開きます。

2.両膝を軽く曲げて、腰を落とします。胸を張って、前かがみにならないように上半身を支えます。

2.両膝を軽く曲げて、腰を落とします。胸を張って、前かがみにならないように上半身を支えます。

3.胸を張ったまま前方の脚に体重をのせます。

3.胸を張ったまま前方の脚に体重をのせます。

4.脚の付け根付近が伸びることを確認し、そのまま30秒キープ。

片足が終わったら、脚を入れ替えて1~4を繰り返します。

大腿直筋(前もも)ストレッチ

大腿直筋は太ももの前にある筋肉で、この筋肉がほぐれると骨盤前傾の改善につながるといわれています。

1.片膝を立てた状態で、後ろの足の甲をつかみます。

1.片膝を立てた状態で、後ろの足の甲をつかみます。

2.かかとをお尻に近づけ、前ももが伸びていることを確認します。

3.胸を張り、腰を前に押し出して更に太ももの前を伸ばします。

3.胸を張り、腰を前に押し出して更に太ももの前を伸ばします。

4.30秒キープします。

片足を終えたら、左右を入れ替えてもう1セット行います。もし膝を立てるのがつらい場合は、横向きに寝そべった状態で足をつかんでかかとをお尻に近づけるストレッチもあります。

まとめ

反り腰は、日々のちょっとした姿勢の乱れやゆがみが積み重なって起こります。頭痛や肩こり、腰痛などの痛みを感じている人や最近体型に緩みが出てきたと感じている人は、反り腰が原因かもしれません。もし反り腰になってしまった場合も、本記事で紹介したようなストレッチや筋トレで改善が目指せます。

ただし十分な知識がないまま行ってしまうと、逆に体を痛めてしまうリスクもあります。身体の状態に合った正しい方法を知りたい人は、スポーツジムなどで専門的な知識を持ったトレーナーの指導を受けることをおすすめします。興味のある方は、お近くの スポーツクラブNASの店舗 へお問い合わせください。

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