効果的なプランクの方法とは? ダイエットにも役立つアレンジプランク5選
腹筋を鍛えるのに適している「プランク」は、場所もとらず道具も必要ないので、自宅でもすぐにできるトレーニングです。きちんと効果を得るには、正しい方法・動作で行うことが大切なので、基本のやり方を解説します。プランクと組み合わせると、プランクの弱点を補ってさらに効果がアップするメニューも紹介するので、チャレンジしてみましょう。
目次
Toggleプランクとは
まずはプランクがどのようなトレーニングなのか見ていきましょう。どこが鍛えられるか意識することも大切です。
プランクの基本姿勢
プランクは、うつ伏せの状態で肘を曲げて床につき、つま先だけを床につけて腰を持ち上げ、体全体をその2点で支えるトレーニングです。手のひらではなく、肘を曲げて床についた腕立て伏せの姿勢を保つだけなので楽そうに見えますが、正しい姿勢で行うと30秒でもかなりキツく感じます。
プランクでは、お腹の前面にある「腹直筋」、脇腹部分にある「腹斜筋」、さらに腹斜筋の内側にあるインナーマッスル「腹横筋」といったお腹まわりの筋肉を鍛えることができます。同時に二の腕や背中など、全身の筋肉にもほどよい刺激となるため、すきま時間に自宅で気軽に取り組めます。
【プランクの基本姿勢】
1.うつ伏せになり両肘を曲げて床につける。こぶしを軽く握り前方へ。
2.つま先だけを床につけ、腰を浮かせてキープします。
3.腰が高すぎたり低すぎたりしないよう、頭から足先まで一直線になるよう意識します。
4.呼吸は止めずに、3秒で吸い、3秒で吐くリズムを守ってゆっくり行います。
これまで運動をしていなかった人や筋トレ初心者は、正しい姿勢でまずは20秒キープしましょう。1日に「1回30秒を3セット」行うのが目標です。
初めて行ったのに30秒をキツいと感じない場合には、基本姿勢が間違っている可能性があります。もう一度自分の姿勢を見直してみましょう。
アイソメトリックトレーニング
プランクは、「アイソメトリックトレーニング」に分類されるトレーニングです。アイソメトリックトレーニングとは別名を「静的動作トレーニング」ともいい、動かずに姿勢を維持することで筋肉に負荷をかけることです。自分の体重以上の負荷はかからないので、負荷をかけすぎて体を痛めるリスクも少なくなります。
一方で、腕立て伏せやダンベル運動のように、関節を動かし筋肉を伸縮させて反復動作をするトレーニングをアイソトニックトレーニングと呼びます。プランクになれてきたら、ほかのアイソメトリックトレーニングも行ってみましょう。
【腹直筋を鍛えるアイソメトリックトレーニング】
腹筋を集中的に鍛えるのに効果的なトレーニングです。
1.仰向けに大の字になって寝ます。
2.両手、両足、頭を床から浮かし、腰背部だけで体を支えます。
3.腕と足は同じ高さになるよう意識。負荷を大きくしたいなら、両手と足を床に近づけます。
4.30秒×2セット行います。
【太もも・ヒップ・体幹を鍛えるアイソメトリックトレーニング】
筋肉量の多い下半身を鍛えるスクワットのアイソメトリックバージョンです。
1.軽く足を開いて立ち、膝を90度に曲げて腰を落とす。太ももと床が平行になるようにします。
2.顔はまっすぐ前を向き、胸を張って両腕はまっすぐ下におろす。頭はなるべく高い位置でキープします。
3.30秒×2セット行います。
プランクのメリット
プランクにはどのようなメリットがあるのでしょうか?メリットを知ると自分に向いているかがわかります。
自宅で気軽にできる
プランクは、一人が横になれるスペースがあればどこでもできるトレーニングです。ジムやスタジオなどに行く必要もなく、特に道具もいらないので、自宅で気が向いたときに気軽に取り組むことができます。
しかも1回30秒を3セット程度で効果が期待できるので、忙しくてまとまった時間が取れない人でも、わずかな時間で取り入れられます。
「ながらトレーニング」が可能
プランクは自宅で気軽にできるトレーニングなので、テレビを見ながら、お気に入りの音楽を聞きながらなど「ながらトレーニング」ができます。スポーツウェアに着替える必要もないので、部屋着やパジャマのままでも問題ありません。
気軽にどこでも、ながらトレーニングができるので、三日坊主の人にも続けやすく、徐々にタイムが伸びて効果も見えやすいのでモチベーションも保ちやすくなります。
楽に基本姿勢がキープできるようになったら、秒数を伸ばしたり、プランクのバリエーションを増やしたりしていきましょう。
腹筋周りのインナーマッスルを鍛えられる
腹筋を鍛えようと思う理由に、お腹のぽっこりが気になるという人は多いでしょう。お腹が出てしまうのは筋肉量が少なく、脂肪が多いから。脂肪は筋肉よりもやわらかく、下に垂れてしまうという特徴があるため、お腹の肉がベルトの上にのる状態になってしまうのです。
プランクは腹直筋や腹斜筋だけでなく、インナーマッスルも鍛えられるため、体を内側から支える力が強くなります。インナーマッスルが強くなると良い姿勢を保てるようになり、基礎代謝もあがるので太りにくくなるというメリットも。
腹筋全体とインナーマッスルまでバランスよく鍛えられるので、お腹周りが引き締まることも期待できます。
プランクの注意点
プランクには多くのメリットがありますが、一方で注意すべきこともあります。デメリットもよく理解してトレーニングを行いましょう。
ダイエット効果は高くない
残念ながらプランクのダイエット効果は高くありません。腹筋を鍛えるのには適していますが、動きもなく時間も短いためにエネルギー消費にはつながらないためです。体重を落とすには摂取したエネルギー量より消費するエネルギー量を増やす必要があります。プランクの消費エネルギーは、一般的な体格の人が30秒×3セット行った場合で約4kcal。
1日に必要なエネルギー量は、年齢、基礎代謝量、身体活動レベルで算出できます。例えば、30〜49歳で身体活動レベルがふつう(レベルⅡ)の場合、1日に必要な推定エネルギー量は男性は2677.5kcal、同じ条件で女性なら2030kcalです。(※)
これだけのエネルギーをプランクの運動量だけで消費しようとするのは、かなり困難なことがわかります。
筋肥大は望めない
「筋肥大」とは筋肉を大きくすることを指します。筋肉は「筋繊維」という細い細胞が何千本も束になっています。トレーニングで筋肉が刺激を受けると、この筋繊維は部分的に破断され、回復時に適切な栄養と休養をとることで、傷つく前の筋繊維より太くなって修復されます。これを繰り返すことで筋肉が徐々に太くなり、筋力も高くなるのです。
しかしプランクはアイソメトリックトレーニングなので、筋肉の伸縮をさせません。そのため筋肉が傷つくことがなく、筋肥大もしないということになります。シックスパックを作りたいなど、見た目の筋肉にこだわるなら、プランクは効果が出にくいと感じるでしょう。
ただしプランクはインナーマッスルが鍛えられるため、体幹が鍛えられ身体の軸をしっかりと作ることができます。筋肥大をめざす人も、アイソトニックトレーニングと組み合わせてプランクを行うと、より効果を得ることが期待できます。
間違ったフォームだと腰を痛める
プランクは場所も時間も選ばず、気軽にできるのが魅力のトレーニングですが、正しいフォームがとても重要です。間違ったフォームで行うと、腰痛の原因にもなってしまうので注意しましょう。
プランクで腰を痛める原因は、お尻が下がり、腰が反ってしまうこと。特に初心者の頃は腹筋が弱く、お尻が下がりがちになります。お尻が下がってくると、腰が反って腰に大きな負担がかかってしまうので、正しいフォームを心がけましょう。
肩や腕によけいな力が入ってしまうと正しいフォームが崩れてしまいます。効果が出にくいばかりか、腰を痛めてしまうので、違う部位に力が入らないよう注意してください。
腕や肘を付く位置が間違っていないか、鏡を見たりスマートフォンで動画を撮ったりして自分のフォームを確認してみましょう。
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プランクの弱点を補うメニュー5選
プランクのメリット・デメリットも見てきたので、プランクの弱点を補いながらより効果的なエクササイズの方法を紹介します。
クランチと組み合わせる
クランチとは腹筋運動の代表的なトレーニングで、腹直筋を鍛えることができます。腹直筋はみぞおちからおへその下まで、お腹の前面にある大きな筋肉なので、腹直筋を鍛えることでお腹が引き締まりボディラインがすっきりします。
また大きな筋肉を鍛えると、基礎代謝も上がるため太りにくくなる効果も期待できます。プランクと組み合わせると、インナーマッスルと一緒に筋力アップすることが可能です。
【クランチ&プランクのやり方】
1.マットを敷き、仰向けに寝ます。
2.膝と股関節を90度に曲げます。
3.手を頭の後ろで組み、自分のおへそをのぞきこむように、息を吐きながら肩甲骨が床から離れる程度まで持ち上げます。
4.息を吸いながら、頭が床につくギリギリのところまで下ろします。
5.3と4を10回繰り返す×3セット行います。
6.プランクを60秒行います。
クランチは、上げた足の位置や角度に気をつけながら、ゆっくり行いましょう。あまりキツくない、負荷を上げたいという人は、ダンベルや水を入れたペットボトルなどを胸に抱えて行ってください。
プッシュアップと組み合わせる
プッシュアップとは腕立て伏せのことです。プッシュアップによって鍛えられるのは、上腕三頭筋と大胸筋。上腕三頭筋を鍛えると、二の腕のたるみが引き締まります。夏に半袖やノースリーブを着るのが恥ずかしいという人にはおすすめのトレーニングです。
さらに大胸筋も同時に鍛えられます。女性であれば、バストアップやバストの下垂予防にもつながります。ダイエットだけでは身体のラインは引き締まりにくいため、筋トレも同時に行うとシルエットもきれいになります。
【プッシュアップ&プランクのやり方】
1.四つん這いの状態になり、足を後方に伸ばす。腕は肩幅より少し広めに床につき、足も肩幅に広げてつま先を床につけた状態になる。
2.頭から足先までが一直線になるように意識します。
3.肘を曲げ、体が床につくギリギリのところまで下ろします。
4.手で床を押して肘を伸ばし、体を持ち上げます。
5.3と4を繰り返す。10回×3セット行います。
6.プランクを60秒行います。
フロントランジと組み合わせる
フロントランジはヒップや太ももの筋肉を鍛えるトレーニングです。全身の筋肉の多くは下半身にあるため、下半身を鍛えると基礎代謝が上がりやすくなり、下半身が引き締まります。さらに股関節や腰回りの筋肉も鍛えられるため、骨盤矯正にも役立ちます。
消費カロリーもプッシュアップなどより高くなるため、ダイエットのサポートにもなります。
【フロントランジ&プランク】
1.足を揃えて立ち、片足を大きく前へ出します。
2.上体はまっすぐに保ったまま、前に出している膝が90度になる程度まで曲げる。
この時、前足の膝がつま先より前に出ないように気をつけます。
3.前足のかかとで床を押すようにしてスタートポジションに戻ります。
4.反対の足も同様に行います。ここまでを10回×3セット繰り返します。
5.プランクを60秒行う。
フロントランジのポイントは、膝を曲げる時に前足の膝がつま先より前に出ないようにすること。膝がつま先より前に出ると膝関節へ負担がかかり、膝を痛める原因となってしまいます。
さらに膝とつま先の向きをしっかり正面に向けるようにしてください。向きが揃っていなかったり正面を向いていなかったりすると、関節のどこかにねじれの力がかかってしまい、ケガをする可能性があります。
ワンレッグヒップリフトと組み合わせる
ワンレッグヒップリフトは、主に大臀筋、中臀筋、脊柱起立筋を鍛えるトレーニングです。大臀筋はお尻の筋肉のことですが、体の中で単体では1番大きい筋肉なので基礎代謝を上げたい場合にも効率的です。ヒップアップやウエストの引き締めなど、ボディシェイプにも効果が期待できます。
シンプルなフォームなので初心者にも取り組みやすく、坐骨神経痛で悩んでいる人にもおすすめのエクササイズです。
【ワンレッグヒップリフト&プランク】
1.仰向けに寝て、両膝を立てます。
2.両手を頭の後ろで組み、頭を固定したら、片足を45度の高さまで上げる。真っ直ぐに上がるようにします。
3.つま先から肩までが一直線になるように、お尻を持ち上げます。
4.ゆっくりお尻を下ろし、床に着かない位置で止める。上げている足を変えて左右10回×3セット行います。
5.プランクを60秒行います。
HIITと組み合わせる
HIITは「High Intensity Interval Training」の頭文字をとったもので、日本語では「高強度インターバルトレーニング」と言います。つまり、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すことで、脂肪が燃焼しやすい状態をつくり、筋トレ効果と体脂肪減少の効果を同時に得るというもの。トータルの運動時間は5分程度ですが、運動強度が高いため短い時間でもしっかり筋トレができる方法です。
脂肪が燃えやすいので、ダイエット効果も期待できます。ここでは、HIITの中でも代表的なバーピージャンプを例に紹介します。
【HIIT&プランク】
1.足を閉じて立つ。
2.その場にしゃがみ、床に両手をつける。
3.両手はつけたまま軽く飛び上がり、両足を後ろに伸ばして腕立て伏せの状態になる。
4.勢いをつけて両足を元の位置に戻す。
5.膝を伸ばしてその場で高くジャンプする。このとき両手もまっすぐ上に伸ばす。
6.〜5を20秒間繰り返し、その後10秒のインターバルを置く。これを8セット(合計4分間)行い、その後プランクを60秒行う。
普段運動をしない人や、筋トレ初心者にとってHIITはかなり強度が高めなので、決して無理をせずに自分のペースで行いましょう。また、トレーニングの際には十分な運動スペースを確保して行ってください。
まとめ
プランクは優れたトレーニングですが、その効果はお腹周りとインナーマッスルの筋肉に限定的です。ほかのエクササイズと組み合わせることで、プランクでは鍛えられない筋肉を鍛えることができ、さらに効果的なトレーニングになります。
場所も特別な道具も必要のないエクササイズを紹介したので、参考にしてぜひチャレンジしてみてください。また、自己流できちんとエクササイズできているか心配という人は、スポーツジムに通うこともおすすめです。
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