朝に筋トレする効果とは?メリットやおすすめメニュー・注意点

「朝筋トレを始めたいけど、本当に効果があるの?」「時間帯によって筋トレの効果は変わる?」という疑問を抱いている人は多いでしょう。特に朝は忙しく、人によってはモチベーションが下がる時間帯ですが、朝に筋トレを行うことにはさまざまなメリットがあります。
当記事では、朝に筋トレをすることによって得られる具体的な効果から、初心者でもできるおすすめ筋トレメニューと注意点、食事例まで幅広く解説します。効率的かつ継続しやすい筋トレ習慣を作りたい方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
Toggle朝に筋トレをするメリット

朝に筋トレをすることには、心身のリフレッシュや基礎代謝の向上など、さまざまなメリットが期待できます。ここからは、朝における筋トレ効果やダイエット効果を詳しく説明します。
筋トレのパフォーマンスが上がる
朝の筋トレは、筋力アップに重要なホルモン「テストステロン」の分泌量が多い時間帯と重なると言われています。テストステロンは、筋肉の成長や性機能、精神面の活力維持に関与する男性ホルモンの一種です。テストステロンの分泌量は、朝の時間帯にピークを迎えるとされています。
そのため、テストステロンが多く分泌される朝のタイミングで筋トレを行うことで、ホルモンの働きと運動刺激が相乗し、トレーニング効果の向上が期待できるでしょう。さらに、運動そのものがテストステロンの分泌促進につながると考えられており、筋トレの継続によってテストステロンの分泌を維持しやすくなる可能性も指摘されています。
基礎代謝が上がる
朝は体温が低い時間帯ですが、筋トレによって血流が促進されると、体温の上昇とともに基礎代謝も高まると考えられています。基礎代謝とは、呼吸や体温維持など、生きるために必要な最低限のエネルギー消費量を指し、1日の総消費エネルギーの約6~7割を占めると言われています。
基礎代謝は加齢とともに低下する傾向にありますが、筋肉量を増やすことで基礎代謝の向上が期待できます。特に下半身の筋肉は全身の代謝に大きく関与するため、スクワットなどの大筋群を鍛える種目が効果的です。基礎代謝が高まると日常生活でもより多くのカロリーを消費するようになり、太りにくく痩せやすい体づくりに近づけるでしょう。
自律神経が整う
自律神経は活動を促す「交感神経」と休息を担う「副交感神経」に分けられ、その2つがバランスを取りながら体を調整しています。朝は副交感神経がまだ優位な状態で、気だるさや集中力の低下を感じやすい時間帯です。朝に筋トレを行うと交感神経への切り替えがスムーズになり、心拍数や血圧が上がって脳が活性化されるため、集中力ややる気が向上するでしょう。
また、筋トレによる血流促進は、夜間に副交感神経を優位にする働きをサポートすると考えられています。このようなサイクルを日々繰り返すことで、自律神経のバランスが整い、ストレスの軽減や睡眠の質の向上にもつながる可能性があります。
筋トレが習慣づく
筋トレを継続できない主な理由には「時間がない」「効果がすぐに出ない」「筋肉痛がつらい」などが挙げられます。特に夜は仕事や家事、付き合いなどで予定が入りやすく、運動の時間を確保するのが難しい人もいるでしょう。一方、朝は突発的な予定が少なく、生活リズムに筋トレを組み込みやすいため、習慣化しやすいのが特徴です。
また、1日を前向きな気持ちでスタートできることも、毎日筋トレを続ける動機づけになります。最初は5分程度の簡単な筋トレから始め、無理のない範囲で少しずつ取り組むことが、筋トレを長く続けるコツです。
生活リズムが整う
朝に筋トレを行うことで、体内時計がリセットされ、生活リズムの安定につながるとされています。体内時計とは、自律神経やホルモンの分泌、代謝などの生体リズムを調整している機能です。体内時計が乱れると、睡眠障害や肥満、生活習慣病などの原因になることもあります。
朝の筋トレは交感神経の働きを促して目覚めを助けるだけでなく、夜の副交感神経への切り替えもスムーズにするため、自然な眠気を引き出しやすいと考えられています。また、運動によって朝から活動モードに切り替わることで集中力が高まり、1日を効率的に過ごせる可能性もあります。朝の筋トレを継続することには、睡眠と覚醒のリズムを整え、心身の安定を図る効果も期待できるでしょう。
朝の筋トレが向いている人
朝の筋トレは、筋肉を効率的に鍛えるだけでなく、集中力向上や生活リズム改善など、多くのメリットが期待できる習慣です。特に、以下のようなタイプの人には、朝の筋トレが向いているでしょう。
・ダイエットを成功させたい人
朝に筋トレを行うことで、血行が促進されて体温が上がり、1日の基礎代謝が高まるとされています。基礎代謝が高くなるとエネルギー消費量が増え、脂肪燃焼の効率が上がる可能性があります。また、朝に筋トレを行うために早起きをするようになれば、活動時間が長くなる分、消費カロリーも増えやすくなるでしょう。
・筋トレを習慣化したい人
夜は予定や疲労により、筋トレを後回しにすることも多いでしょう。その点、朝は比較的予定が入ることが少なく、生活リズムの一環として筋トレが定着しやすい傾向にあります。睡眠によって体も頭もリフレッシュした状態で筋トレに取り組めるため、精神的なハードルが下がり、筋トレを継続しやすくなるでしょう。
・集中力や仕事のパフォーマンスを上げたい人
朝の筋トレは、交感神経の働きを高めて脳の血流を促進するとされており、集中力や判断力の向上に役立つと考えられています。筋トレを通じてドーパミンやエンドルフィン、テストステロンといったホルモンの分泌も促されれば、気分の高揚やモチベーションアップも期待できます。その日の仕事や勉強に集中したい人にとって、朝の筋トレは1日のよいスタートを切るきっかけになるでしょう。
・朝の時間を有効に使いたい人
出勤時間が遅い人や早起きが得意な人は、朝に筋トレを取り入れることで時間を有効活用できます。体を動かすことで眠気が吹き飛び、頭もスッキリするため、気持ちよく1日を始められるでしょう。
・生活リズムや自律神経を整えたい人
朝の筋トレに伴い、太陽光を浴びて体内時計がリセットされれば、自律神経のバランスが整いやすくなると考えられています。その結果、夜になると自然と眠くなり、睡眠の質が向上する可能性があります。夜型の生活を改善したい人や寝つきが悪い人、運動不足の人にも、朝の筋トレはおすすめのアプローチです。
【簡単】朝におすすめの筋トレメニュー3選
朝の筋トレには、多くの筋肉を同時に使うメニューが適しています。ここでは、初心者でも無理なく始められ、自宅で手軽にできるおすすめの筋トレ方法を3つ紹介します。
スクワット
スクワットは、お尻の大臀筋や太もものハムストリングス、ふくらはぎ、腹筋、背筋など、下半身から体幹まで幅広い筋肉を同時に鍛えられる基本のトレーニングです。道具を使わずわずかなスペースでできるため、朝の筋トレにも取り入れやすいでしょう。
<やり方>
1.足を腰幅に開き、つま先はやや外側に向ける
2.胸を張り、背筋をまっすぐに保つ

3.お尻を後ろに引くようにして、太ももが床と平行になるまでしゃがむ
4.しゃがんだ姿勢をキープする

5.かかとで床を押すようにして元の姿勢に戻る
スクワットでは、膝が内側に入らないように注意しながら、つま先と膝の向きを揃えることが大切です。背中が丸まらないように体幹を意識しながら、呼吸を止めずにゆっくりと動作を行いましょう。
プッシュアップ
プッシュアップ(腕立て伏せ)は、器具を使わず自重で上半身を効果的に鍛えられるトレーニング方法です。特に胸の大胸筋、腕の上腕三頭筋、肩の三角筋に強い刺激を与えられます。また、体幹の安定性も求められるため、お腹やお尻に自然と力が入り、全身の筋力アップにもつながるとされています。
<やり方>
1.膝立ちになり、肩幅よりやや広めの位置で床に手を付く
2.膝を伸ばしてつま先を立て、頭からかかとまでを一直線にする

3.肘を曲げて、胸が床に近づくまで体をゆっくり下ろす

4.胸が床すれすれになったら、手で床を押し上げて戻る
5.上下運動をゆっくりと繰り返す
プッシュアップではフォームを崩さないことが重要なので、肘を曲げる際は脇を締め、肩がすくんだり腰が反ったりしないよう注意しましょう。体が一直線になるようにお腹とお尻にしっかり力を入れることで、ケガを防ぎながら高い効果が期待できます。筋トレ初心者は膝を付いて行っても構いません。
クランチ
クランチは、体の上部を中心に集中的に鍛えることができるトレーニングです。体を大きく起こさないため腰への負担が少なく、初心者にもおすすめです。腹筋に意識を集中させやすく、フォームさえ守れば限られた動作でも十分な負荷をかけられます。
<やり方>
1.仰向けに寝て、膝を90度に曲げる
2.両手は胸の前で組むか、頭の後ろに添える

3.息を吐きながら肩甲骨が床から浮く程度に上体を丸める
4.上体を数秒キープする

5.ゆっくりと息を吸いながら元の体勢に戻す
クランチの動作中は腰を床に付けたままにし、反動を使わずに腹筋の力でゆっくりと動かすのがポイントです。呼吸は止めず、「起き上がるときに吐く」「戻るときに吸う」というリズムを意識しましょう。背中や首に無理な力が入らないよう注意し、無理のない範囲で繰り返すことが大切です。
朝に筋トレを行う際の注意点
朝は体や頭がまだ完全に起きていない時間なので、筋トレ時に注意すべきポイントもあります。思わぬケガや体調不良を防ぐために、朝の筋トレでは以下の3つの注意点を押さえておきましょう。
起床後すぐの空腹時には行わない
睡眠中も身体はエネルギーを消費しています。そのため、朝起きてすぐは体内のエネルギーが枯渇しており、空腹状態で筋トレを行うと身体はエネルギー源を確保するのに筋肉を分解する可能性があります。筋トレ時は、主に炭水化物がエネルギー源です。筋トレの2時間以上前に炭水化物とたんぱく質を含む食事をとるか、筋トレの1時間前までに消化のよい軽食をとることで、エネルギー不足によるパフォーマンスの低下や筋肉の分解を防げるでしょう。
また、起床直後は脳や体が完全に覚醒していないため筋肉が硬く、集中力も低い状態です。その状態で激しい運動をすると、思わぬケガを招く危険性もあります。最低でも起きてから30分以上、できれば1時間は空けてから筋トレに取り組むようにしましょう。
ストレッチでウォーミングアップする
朝に筋トレを行う際は、必ずストレッチによる準備運動を取り入れましょう。就寝中は体温が下がり、筋肉もこわばった状態のため、いきなり運動を始めると関節や筋肉を傷めるリスクが高まります。
ストレッチには「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2種類がありますが、朝のウォーミングアップには身体を動かしながら筋肉を伸ばす動的ストレッチが効果的です。ラジオ体操のような簡単な運動でも構いません。反動を付けずリズミカルに体を動かすことで、筋温を上げながら血流を促進し、関節の可動域も広げてくれます。軽く汗ばむ程度まで体を動かしてから筋トレに移ると、ケガの予防だけでなくパフォーマンスの向上にもつながるでしょう。
水分・栄養補給を忘れない

就寝中は汗や呼気により体内の水分が失われており、起床時は軽度の脱水状態と言われています。そのまま筋トレを始めてしまうとパフォーマンスが低下するだけでなく、めまいや頭痛、筋肉のけいれんなどを引き起こす可能性があります。筋肉や全身の機能を正常に保つために、トレーニング前にはコップ1杯程度の水を飲むようにしましょう。
また、栄養補給も重要です。筋肉量を増やしたい場合は、筋トレで失われるアミノ酸の補給として、事前にたんぱく質やBCAAなどの栄養素を摂取するのが望ましいと言われています。糖質もエネルギー源として重要な役割を果たすため、消化のよいものを選んで食べれば、運動中のエネルギー不足を防げるでしょう。食事が難しい場合はサプリメントやプロテインでも代用可能です。
朝の筋トレ前におすすめの食べ物

朝に筋トレを行う場合は、炭水化物とたんぱく質をバランスよく含む食事を筋トレの2時間以上前に食べるのが理想です。ここでは、忙しい朝でも取り入れやすいおすすめの食事例を紹介します。
・卵かけ納豆ごはん
消化のよいごはんと、たんぱく質が豊富な卵・納豆の組み合わせは、手軽に作れて栄養バランスの整った朝食です。糖質とたんぱく質の両方を効率よく補えるので、筋肉の分解を防ぎながら、朝のトレーニングに必要なエネルギーも確保できるでしょう。
・ツナチーズトースト
ツナのたんぱく質とチーズのカルシウムを手軽に補える一品です。ツナは、水煮タイプを選ぶと低脂質に仕上がります。時間に余裕があれば、トマトや玉ねぎを加えて栄養価アップを図るのもおすすめです。
・トースト+目玉焼き+バナナヨーグルト
トーストから炭水化物を、卵からたんぱく質を、バナナとヨーグルトからビタミンやミネラル、食物繊維を摂取できる、パン派におすすめのメニューです。忙しい朝でも簡単に調理でき、朝食を軽めに済ませたい人にもぴったりです。
・もち麦おにぎり+サラダチキン+ゆで卵
もち麦には糖質だけでなく食物繊維やミネラルも含まれ、鶏むね肉のサラダチキンや卵で高たんぱく・低脂質な食事を実現できます。いずれの食品もコンビニで手に入りやすく、出勤前や移動中でも手軽に食べられる点も魅力です。
・オートミール+ヨーグルト+バナナ
オートミールは消化と腹持ちのよい炭水化物です。牛乳や水でふやかして加熱するだけで簡単に調理でき、短時間でもしっかりエネルギーを補給できます。そこに、たんぱく質が豊富なヨーグルトとバナナを加えることで、ビタミン・ミネラル・糖質を補う理想的な組み合わせになります。
ゆっくりと食事をとる時間がない場合は、消化のよい軽食を筋トレの1時間前までに食べるようにしましょう。
筋トレは朝と夜のどっちがいい?
筋トレに適した時間帯は一概には決められず、生活スタイルや目的によって最適なタイミングは異なります。たとえば、朝に筋トレを行うことは、生活リズムが整いやすく、習慣化しやすいのが大きなメリットです。朝日を浴びて体を動かすことで自律神経が整い、日中の集中力も高まりやすく効果が期待できます。
一方で、体温や筋力が高まる夕方から夜は、より高負荷なトレーニングがしやすく、筋肥大を目的とする場合は効果的とされています。ただし、夜はイレギュラーな予定が入りやすく、継続が難しくなる場合があります。
そのため、自分の生活リズムに合う時間帯を選び、無理なく継続することが何よりも重要です。慣れてきたら、筋肉の成長や代謝アップにさらに高い効果が期待できる、朝と夜の1日2回の筋トレ(ダブルスプリット)を取り入れてみてもよいでしょう。
まとめ
朝に筋トレを取り入れることには、基礎代謝や集中力の向上、自律神経や生活リズムの改善など、心身に多くのよい影響が期待できます。また、朝は予定が入りにくく、筋トレを習慣化しやすい時間帯です。ストレッチや適切な食事・水分補給も組み合わせ、トレーニングの効果を最大限引き出しましょう。
筋トレや運動を習慣化するなら、スポーツジムに入会する方法もおすすめです。スポーツクラブNASでは、トレーニングの専門家であるトレーナーのアドバイスを受けながら、目的に合わせて鍛えることができます。ご興味のある方はお気軽にスポーツクラブNASの各店舗までお問い合わせください。
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