ハムストリングスに効く筋トレは?鍛えるメリットやポイントを解説

筋肉の名称には、腹筋や胸筋など、名前を見ただけでどのあたりの部位を指しているのか分かるものが多くある一方で、一般の方にはなじみの薄い専門用語も少なくありません。
ハムストリングスとは、太ももの裏側に位置する複数の筋肉を総称した名称で、スポーツや日常生活のパフォーマンスに大きく関わる重要な筋肉群です。鍛えることで、性別を問わず多くのメリットが得られる筋肉となっています。
今回は、ハムストリングスの概要やハムストリングスを鍛えるメリットに加えて、具体的な筋力トレーニング方法、効果的に鍛えるためのポイントを詳しく紹介します。
目次
Toggleハムストリングスとは?

ハムストリングスとは、太ももの裏側に位置する筋肉群の総称であり、「大腿二頭筋(だいたいにとうきん)」「半腱様筋(はんけんようきん)」「半膜様筋(はんまくようきん)」の3つの筋肉で形成されています。
- 大腿二頭筋
太もも裏の外側に位置した筋肉で、主に膝関節や股関節の動きに関与します。長頭と短頭という2つの部位から構成されており、ハムストリングスの中でも最も長いことが特徴です。 - 半腱様筋
太もも裏の内側に位置した筋肉で、大腿二頭筋と同様に膝関節や股関節の動きに関与します。また、脚を閉じたりふくらはぎを内側にねじったりするはたらきも担います。 - 半膜様筋
半腱様筋と同様、太もも裏の内側に位置した筋肉で、膝関節の屈曲や内旋、股関節の伸展や内旋といった動きに関与します。
ハムストリングスを鍛えるメリット
ハムストリングスを鍛えることには、男性・女性いずれにもメリットがあります。
- 基礎代謝が上がる
筋肉量が増えると基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がるとエネルギーを効率的に消費できるようになり、太りにくい体を目指すことが可能です。ハムストリングスは比較的大きい筋肉であるため、小さな筋肉を鍛えるよりも効率良く筋肉量を増やせます。 - 運動のパフォーマンスが上がる
ハムストリングスは膝関節や股関節の動きに大きく関与する筋肉です。特に、走る・跳ぶといった動作を基本とする運動・スポーツにおいては、パフォーマンスの圧倒的な向上が期待できるでしょう。また、瞬発力や持久力のアップも見込めます。 - ヒップアップにつながる
ハムストリングスは、お尻の主な筋肉である大臀筋をサポートする役割も担っています。ハムストリングスを鍛えることで大臀筋も刺激され、お尻の引き締め効果が期待できます。
メリットを知っておくことで、筋トレを続けるモチベーションも維持しやすくなるでしょう。
ハムストリングスを鍛える筋トレ4選

ハムストリングスを鍛えられるトレーニング方法にはいくつかあり、方法によって具体的にどのような筋肉を刺激できるかがやや異なります。
ハムストリングスの筋トレの際は、股関節の伸展と膝関節の屈曲を取り入れるとよいでしょう。股関節の伸展にはヒップヒンジ・ルーマニアンデッドリフト・スティフレッグデッドリフトが、そして膝関節の屈曲にはレッグカールが推奨されます。
ここからは、自宅で手軽にハムストリングスを鍛えられる自重筋トレメニューの概要とやり方を4つ、それぞれ詳しく紹介します。
ヒップヒンジ
ヒップヒンジとは、脊柱をまっすぐに維持した状態で股関節を動かす運動です。股関節の屈曲や伸展においては、このヒップヒンジが土台となります。基本的なヒップヒンジのやり方は、下記の通りです。
- 足幅を肩幅程度に開いて立ち、両膝を軽く曲げる
- 股関節主動にて、なるべく床と並行になる程度まで上体を前傾させていく
- ハムストリングスとお尻にストレッチを感じたら、ゆっくりと上体を起こして元の姿勢に戻る
- 1~3の動作を繰り返し行う(1セット10~15回)
ヒップヒンジを行う際のポイントとして、「股関節主動で上体を前傾させる」「脛を固定させる」「膝を曲げすぎない」「背中を丸めない」の4つが挙げられます。
ヒップヒンジの動作に慣れれば、デッドリフトやその応用種目であるルーマニアンデッドリフトなどの筋トレメニューの基本もおさえやすくなります。
デッドリフト
デッドリフトとは、下背部の筋肉やハムストリングスなどを強化する代表的なウェイトトレーニングの種目です。下記に、基本的なデッドリフトのやり方を紹介します。
- 両脚と両腕を肩幅程度に広げる
- 手のひらを下に向けて足元のバーベルを握り、体に沿わせながら姿勢がまっすぐになるまでゆっくりと持ち上げる
- バーベルを元の位置までゆっくりと戻す
- 1~3の動作を繰り返し行う(1セット10~12回)
ハムストリングスをより効果的に鍛えたいなら、シンプルなデッドリフトに加えて、ルーマニアンデッドリフトやスティフレッグデッドリフトもおすすめです。これらはデッドリフトの応用種目であり、脚幅を狭めて膝を伸ばし気味で行うことが特徴となっています。
ルーマニアンデッドリフトは膝を軽く曲げた状態で行うため、筋トレ初心者や腰痛が心配な方でも取り組みやすい種目です。一方、スティフレッグデッドリフトは膝をほとんど曲げずに行うため、ハムストリングスへの負荷がさらに大きくなります。筋力アップを狙いたい中級者以上の方に適した種目です。
運動初心者の方は、まず基本的なデッドリフトのフォームと動きに慣れることが重要となります。基本動作を習得することで、より難易度の高い応用種目に移行した際も正しいフォームを維持しやすくなるでしょう。
ヒップリフト
ヒップリフトとは、お尻にある大臀筋を中心に、ハムストリングスや体幹を鍛えられる筋トレメニューです。基本的なヒップリフトのやり方は、下記の通りです。
- 仰向けに寝転び、両膝を90度に立てて足裏を地面につける
- 「肩から膝まで」と「膝から踵まで」がそれぞれ一直線になる位置まで、お尻をゆっくりと持ち上げる
- 「肩から膝まで」と「膝から踵まで」がそれぞれ一直線上になったら、ゆっくりと元の姿勢に戻す
- 1~3の動作を繰り返し行う(1セット15~20回)
ヒップリフトを行う際のポイントは、「腰を反らさない」「股関節を伸ばす意識でお尻を持ち上げる」の2点です。
動作やフォーム、負荷に慣れるまでは両手を床につけて体を支えても問題ありません。ある程度慣れを感じたら「ワンレッグヒップリフト」や「ダンベルヒップリフト」などの応用種目にチャレンジするとよいでしょう。
レッグカール
レッグカールとは、ハムストリングスを鍛える代表的な筋トレメニューであり、トレーニング器具を使用せず自宅でも簡単に行えます。基本的なレッグカールのやり方は、下記の通りです。
- うつ伏せの姿勢で、両手を顔の前に置いて両脚を伸ばす
- 両膝を曲げてお尻に限界まで近づける
- 曲げた脚をゆっくりと下ろしながら元の姿勢に戻る
- 1~3の動作を繰り返し行う(1セット10~15回)
スタンディングレッグカールを行う際のポイントは、「膝を曲げる際にできる限り股関節を動かさないようにする」「脚を下ろす際は地面につかないようにする」の2点です。なお、1セットあたりの回数はあくまで目安であり、無理なく続けられる回数を設定することが最も大切です。
基本的なレッグカールの動作に慣れてきたら、「ライイングレッグカール」や「スタンディングレッグカール」に挑戦してみるとよいでしょう。
ハムストリングスの筋トレを行うポイント

筋トレでハムストリングスを鍛える際は、下記2つのポイントをおさえましょう。
- 正しいフォームで行う
どのようなトレーニングにおいても、正しいフォームが最も重要となります。間違ったフォームのままでは、思うような筋トレ効果は得られないほか、けがのリスクも高まります。正しいフォームを身につけるためにも、最初のうちは全身鏡で確認しながらトレーニングを進めましょう。 - ストレッチを行う
ハムストリングスの筋トレ前後には、ストレッチを取り入れることも重要です。ストレッチは関節や筋肉の柔軟性を高める柔軟運動であり、けがの予防や疲労回復につながります。
トレーニング前には関節を一定の方向に動かす「動的ストレッチ」が、そしてトレーニング後には筋肉を一定の方向に伸ばしたまま静止する「静的ストレッチ」が推奨されています。
正しいフォームやストレッチを習得するためには、ジムに通って知識のあるトレーナーに教えてもらうのもおすすめです。
また、ジムには専用のトレーニングマシンが豊富に設置されています。マシン筋トレを行うことで、自分に合った負荷を設定しつつ、ハムストリングスをピンポイントに鍛えられるでしょう。
まとめ
ハムストリングスとは、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉で構成された、太もも裏側に位置する筋肉群の総称です。筋トレでハムストリングスを効率良く鍛えるためには、自分に合った負荷を選択するだけでなく、正しいフォームを維持することも非常に重要です。
専門知識を有したトレーナーが在籍する「スポーツクラブNAS」では、一人ひとりの目標や体力に合わせたトレーニングプログラムを提供し、正しいフォームの指導や効率的な運動のサポートを行っています。自宅トレーニングではなくジムに通って正しいトレーニング指導を受けたいという方は、ぜひお近くのスポーツクラブNASの店舗までご相談ください。
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