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体幹トレーニングとは? その効果とおすすめエクササイズ5選を紹介

体幹トレーニングとは? その効果とおすすめエクササイズ5選を紹介

「体幹トレーニング」という言葉は聞いたことがあっても、明確なイメージを持っている人はあまり多くないのではないでしょうか。この記事では体幹の定義から、体幹トレーニングのメリットや一般的なウェイトトレーニングとの違い、おすすめのエクササイズをご紹介します。

道具が不要かつ、自宅で行える体幹トレーニングも紹介しますので、ぜひ挑戦してください。

体幹とは

そもそも体幹とは何を指す言葉でしょうか。広義の体幹と狭義の体幹では、意味が変わります。

広義の体幹

体幹(たいかん)は字のごとく「体の幹」です。広義の体幹は胴体を指します。具体的には胸、背中、腰、腹筋、脇腹、臀部などはすべて体幹です。体幹に対して、手足を「体肢(たいし)」と呼びます。広義の意味で、体幹を鍛えるとは胴体を鍛えることです。胸や背中、腰、腹筋、脇腹、臀部を鍛えることが、体幹を鍛えることになります。

体幹は身体の中心にあり、動作の軸となる部位です。体肢である手足だけを鍛えても、体幹が弱く不安定だと、安定して力を発揮できません。体幹の筋肉を鍛えることで、さまざまな動作が安定し、パワーを発揮できるようになります。

また、体幹の筋肉を鍛えて動作が安定するということは、ケガの予防にもつながります。

狭義の体幹

狭義の体幹は、内臓が納まっているところを囲んだ「腹腔(ふくこう)」という部分です。この腹腔は横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群の4つの「インナーマッスル」に囲まれています。

インナーマッスルとは身体の深部にある筋肉のことです。体幹にある、腹腔を構成するインナーマッスルが狭義の体幹です。体幹のインナーマッスルは呼吸、内臓のポジションの維持、胴体の安定性に関わります。多くの場合、体幹トレーニングはこの狭義の体幹を指します。

一方で先述した広義の体幹を指すのは、胸や背中、腰、腹筋、脇腹、臀部です。これらの筋肉は身体の表層にあることから「アウターマッスル」と呼ばれます。

体幹のインナーマッスルもアウターマッスルも、必要不可欠な筋肉です。どちらも体幹の安定性に深く関わります。基本的に体幹のアウターマッスルの方が体積が大きく、パワー発揮に関わります。体幹のインナーマッスルは身体の安定性を高めるとともに、呼吸に重要な役割を担っています。

体幹トレーニングのメリット

続いて、体幹トレーニングを行うメリットを4つ解説します。

姿勢が良くなる

体幹のインナーマッスルには、良い姿勢を維持する働きがあります。特に腹腔を覆う腹横筋は、コルセットのような働きがあります。お腹を引き締めて、内臓の位置を正しい位置に維持したり、背骨が自然なS字カーブを維持したりするために、とても重要な筋肉です。腹横筋の働きが弱いと背骨が丸まったり、お腹がぽっこりと前に出たりしてしまいます。

また同時に、いわゆるシックスパックを形成する腹直筋や、背骨の横に位置する脊柱起立筋も良い姿勢の維持に重要です。これらの筋肉を鍛えることで、背骨が自然なS字カーブとなって正しい姿勢になり、ぽっこりお腹が引っ込む、などの効果を得られます。

腰痛の予防・改善になる

体幹を鍛えることは、腰痛の予防・改善にもつながります。例えば、姿勢が悪いと背骨と背骨の間にある「椎間板」を圧迫してしまい、椎間板ヘルニアを発症してしまう場合があります。

椎間板ヘルニアでは、椎間板の中心にある「随核」が椎間板から飛び出して、神経根を圧迫してしまい、下半身に痛みやしびれが発症します。

体幹を鍛えることで背骨が自然なS字カーブになると、椎間板への負荷が減って、椎間板ヘルニアの予防や改善につながります。椎間板ヘルニア以外の腰痛も、悪い姿勢が原因でなることがあるため、予防するためにも体幹トレーニングで正しい姿勢を作りましょう。

また、骨盤の底にある骨盤底筋群を鍛えると、出産によって開いた骨盤を戻しやすくなるため、産後の腰痛予防にも有効です。

痩せやすくなる

体幹トレーニングによって筋肉量が増えると、基礎代謝量が増えて痩せやすい体質になります。基礎代謝量とは、生きているだけで消費されるエネルギーのことです。基礎代謝量が増えると消費カロリーが増えるため、痩せやすくなります。

筋肉は、維持するだけでもエネルギーを消費します。そのため筋肉量を増やすことで、基礎代謝量が増加して痩せやすくなるのです。

スポーツでパフォーマンスを上げることができる

スポーツでパフォーマンスを上げることができる

体幹はさまざまな動作の軸になります。体幹がしっかりすると身体の軸がブレにくくなり、全身の動作がスムーズになります。ひいては、スポーツのパフォーマンス向上につながるのです。

例えば、野球の投球動作のように下半身の力を腕まで伝える場合、体幹がブレると力を上手く腕まで伝えられません。ラグビーのようにボディコンタクトがあるスポーツでは、体幹が弱いと相手のタックルで簡単に倒されてしまいます。

また体幹トレーニングはスポーツ時のケガの予防にもつながります。体幹が弱いと、背骨のS字カーブや骨盤の位置が悪化して、太ももの筋肉や腰を痛めたりなどのケガにつながる可能性が高まってしまうのです。

体幹トレーニングとウェイトトレーニングの違いとは

ここでは体幹トレーニングと一般的なウェイトトレーニングの違いについて解説します。

両者とも筋肉トレーニング

体幹トレーニングやウェイトトレーニングも、筋肉を鍛えるトレーニングであることは同じです。しかしアプローチする部位が違います。体幹トレーニングは主にインナーマッスルを鍛えるのに対し、ウェイトトレーニングは主にアウターマッスルを鍛えます。

アウターマッスルはインナーマッスルよりも体積が大きく、身体の動作に関わるため、ダンベルやバーベルなどを使った高負荷トレーニングが基本です。一方で体幹のインナーマッスルは、呼吸時や排尿、姿勢維持などに関わります。そのため、これらの筋肉を狙って高負荷トレーニングを行うのは、困難になります。

体幹トレーニングは負荷が軽めのものが多い

先述したように、体幹トレーニングは主にインナーマッスルへアプローチします。呼吸時や排尿、姿勢維持などに関わるため高い負荷はかけられず、負荷が軽めのエクササイズになることが多いのが特徴です。

例えば、うつ伏せで腰を浮かせた状態を数十秒キープする、呼吸に合わせてお腹を膨らませたり引っ込ませたりする、肛門や尿道をぎゅーっと絞めるなどを行います。

インナーマッスルはあまり体積が大きくなく、大きな力が求められる筋肉ではないので、軽めの負荷でも十分に鍛えられます。

負荷が軽めな分、毎日行っても良い

負荷が軽めな分、毎日行っても良い

体幹トレーニングは負荷が軽いため、毎日行うことができます。一方で高負荷のウェイトトレーニングは、筋肉に大きな負担を与えるため、同一部位を毎日行うことはできません。

高負荷のウェイトトレーニングを行うと、筋肉が微細に損傷します。この微細な損傷が起きた筋肉に休養を与えて回復させると、以前よりも太くなる性質があります。これを「超回復」といい、超回復を起こすためには2〜3日の休養が必要です。

そのため、高負荷のウェイトトレーニングを行ったあとは、その筋肉を2〜3日以上、場合によってはそれ以上休ませる必要があります。胸の筋肉を鍛えたら、次に胸を鍛えるのは3日後以降といった具合です。

体幹トレーニングであれば、筋肉に大きな負荷をかけないため、毎日、あるいは1日おきに行うことができます。

ウェイトトレーニングも重要

ここまで解説してきたように、インナーマッスルを鍛える体幹トレーニングには、姿勢が良くなる、腰痛の予防・改善、痩せやすくなる、スポーツのパフォーマンスアップなど、さまざまなメリットがあります。

しかし姿勢の維持にはインナーマッスルだけでなく、腹直筋や脊柱起立筋といったアウターマッスルも関わります。そのため、アウターマッスルを鍛えるウェイトトレーニングも重要です。

また体幹だけを鍛えるのではなく腕・脚の筋肉を鍛えることで、さらに痩せやすくなり、スポーツのパフォーマンスも高められます。

アウターマッスルを鍛える時は、大きな筋肉から鍛えることが基本です。なので、大腿四頭筋(太ももの前)を鍛えるスクワットや、大胸筋(胸)を鍛えるベンチプレスなどを行うことが有効になります。

おすすめ体幹トレーニング・5選

おすすめの体幹トレーニングを5つ紹介します。

プランク

プランクは基本的な体幹トレーニングです。インナーマッスルの腹横筋や、アウターマッスルの腹直筋・腹斜筋(脇腹)・脊柱起立筋など、体幹全体の筋肉を鍛えられます。自然なS字カーブの維持に有効なトレーニングです。

1.うつ伏せになり両肘を曲げて床につけます。こぶしは軽く握ります。

1.うつ伏せになり両肘を曲げて床につけます。こぶしは軽く握ります。

2.つま先だけを床につけ、腰を浮かせてキープします。

2.つま先だけを床につけ、腰を浮かせてキープします。

3.腰が高すぎたり低すぎたりしないよう、頭から足先まで一直線になるよう意識します。

3.腰が高すぎたり低すぎたりしないよう、頭から足先まで一直線になるよう意識します。

4.呼吸は止めずに、3秒で吸い、3秒で吐くリズムを守ってゆっくり行います。

初心者は20秒、できる人は30秒を1セットとして3セットほど行いましょう。

ドローイン

ドローインはインナーマッスルである腹横筋と横隔膜を鍛えるトレーニングです。これらの筋肉を鍛えることで腹圧が高まります。ぽっこりお腹を引っ込めたり、姿勢をよくしたり、呼吸が深くなったりなどの効果があります。

1.仰向けになり、ひざを90度曲げます。

1.仰向けになり、ひざを90度曲げます。

2.腹式呼吸で大きく息を吸い、お腹を膨らませます。

2.腹式呼吸で大きく息を吸い、お腹を膨らませます。

3.お腹を膨らませきったら、ゆっくりと息を吐いて凹ませます。5秒を目安に息を止めます。

3.お腹を膨らませきったら、ゆっくりと息を吐いて凹ませます。5秒を目安に息を止めます。

2~3を10セット繰り返しましょう。

腕立て伏せ

腕立て伏せは一般的にアウターマッスルである、大胸筋、三角筋前部(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕の後ろ)を鍛えるエクササイズです。しかし、プランクのように頭から踵を一直線にキープさせることで体幹が鍛えられます。

プランクの効果を得つつ、胸・肩・腕を鍛えられる種目です。

1.手幅を肩幅よりやや広めにし、視線は前方へ。

1.手幅を肩幅よりやや広めにし、視線は前方へ。

2.肘を曲げ、胸が床につくまで体を下ろします。

2.肘を曲げ、胸が床につくまで体を下ろします。

3.下で静止した後、両手で床を押して体を押し上げ、はじめの姿勢に戻ります。

女性は膝をついて行う膝立伏せでも大丈夫です。10回を3セット行いましょう。

3.下で静止した後、両手で床を押して体を押し上げ、はじめの姿勢に戻ります。

バーベルスクワット

バーベルスクワットは、バーベルを背負って行う上級者向けのトレーニングです。スクワットは大腿四頭筋、ハムストリング(太ももの後ろ)、大臀筋(お尻)など下肢の筋肉を鍛えるトレーニングです。

一方で、重いバーベルを背負う場合、体幹を固定する必要があります。重いバーベルを背負った状態で背中が丸まったり反ったりしてしまうと、ケガのリスクがあるからです。

重いバーベルを背負ったまま体幹を固定するためには、お腹周りの筋肉を使って腹圧を高めなければなりません。そのため、バーベルスクワットは結果的に体幹トレーニングにもなるのです。

1.肩幅よりやや広めのスタンスで立ちます。

1.肩幅よりやや広めのスタンスで立ちます。

2.バーベルを肩(僧帽筋)に担ぎ、背筋の自然なカーブを意識して胸を張り、視線はまっすぐ正面に。

2.バーベルを肩(僧帽筋)に担ぎ、背筋の自然なカーブを意識して胸を張り、視線はまっすぐ正面に。

3.腹圧をかけ(お腹にしっかりと力を入れ)、股関節とひざ関節を連動させて曲げていきます。2秒かけてしゃがみます。

3.腹圧をかけ(お腹にしっかりと力を入れ)、股関節とひざ関節を連動させて曲げていきます。2秒かけてしゃがみます。

4.太ももが床と平行になるところまでしゃがみます。1秒保持します。

4.太ももが床と平行になるところまでしゃがみます。1秒保持します。

5.背筋の自然なカーブを保持したまま、開始姿勢まで1秒で立ち上がります。

8~10回を3セット行いましょう。1セットでギリギリの重量設定にすることが目安です。

デッドリフト

デッドリフトも上級者向けのトレーニングです。デッドリフトは大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋、脊柱起立筋を鍛えられる種目です。脊柱起立筋下部のように、腰の筋肉を鍛えられる種目である反面、腰に大きな負荷がかかります。

スクワット同様に、腰を守るためには体幹の固定が必要です。そのため、お腹周りの腹圧を高める必要があり結果的に体幹を鍛えられます。

バーベルがきつい人はダンベルでも大丈夫です。最も高重量を扱えるトレーニングですが、ケガのリスクがあるため、無理はしないようにしてください。また、トレーナーの指示に従うことをおすすめします。

1.肩幅と同じくらいに足を開き、肩幅よりも広い手幅でバーベルを握ります。

2.背中を丸めることなく背中が直線になるようにキープします。視線はまっすぐ正面に。

2.背中を丸めることなく背中が直線になるようにキープします。視線はまっすぐ正面に。

3.腹圧をかけ(お腹にしっかりと力を入れ)、体が真っすぐになるまでベーベルを持ち上げます。

3.腹圧をかけ(お腹にしっかりと力を入れ)、体が真っすぐになるまでベーベルを持ち上げます。

4.膝が伸びきったタイミングで、背中の筋肉を収縮させるように意識します。

5.腹圧を抜かないように、元の位置に戻します。

10回を3セット行いましょう。1セットでギリギリの重量設定にすることが目安です。

まとめ

体幹トレーニングには、姿勢が良くなる、腰痛の予防・改善、痩せやすくなる、スポーツのパフォーマンスアップなど、さまざまなメリットがあります。まずはプランクやドローイン、腕立て伏せから始めてみてください。

これらのトレーニングで物足りなくなったら、スポーツジムでバーベルスクワットやデッドリフトにチャレンジしてみましょう。高重量のバーベルを使う場合、バーベルにつぶされてしまうリスクがあるため、1人で行うのはとても危険です。

スポーツジムのようにトレーナーが近くで見てくれる環境で行いましょう。トレーニングジムへの入会を検討する場合は、お近くの スポーツクラブNASの店舗 へお問い合わせください。

バーベルやマシンを用いた、さまざまな種類の体幹トレーニングを行うことができます。

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