太りにくい健康的な体になる! 代謝量を上げる10の方法を紹介
太りにくい体を作るには、代謝量を上げる必要があるとよく耳にしますが、そもそも、「代謝」とは一体何なのでしょうか。この記事では代謝とは何かをひも解き、代謝量を上げるための10の方法を解説します。代謝の仕組みを理解することで、代謝量を上げる方法がよく理解できるようになるはずです。しっかり理解すると、行動のモチベーションにもつながるでしょう。ぜひ最後まで読んで、実際にできることから始めてみましょう。
目次
Toggle代謝とは
代謝とは、私たちが生きていく上で欠かさず行われている生命活動です。詳しく見ていきましょう。
代謝の概要
代謝(metaboilsm)とは、体の中で起こっている化学反応の総称です。私たちは外部から物質を取り入れて生きていますが、さまざまな栄養素が化学変化によって合成・分解され、エネルギー変換されています。
代謝の過程は「物質代謝」と「エネルギー代謝」に分けられ、それぞれに分類があります。
「物質代謝」には「異化」と「同化」があります。異化はブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸など、複雑な有機物を分解して単純な化合物にすることで、生命活動に必要なエネルギーを取り出します。同化は、逆に小さい分子から大きな分子を合成する物質代謝です。
「エネルギー代謝」は、基礎代謝・活動代謝・食事誘導性熱代謝の3種類があり、この3つこそが太りにくい身体をつくるために活発化させたい代謝です。人の24時間の総エネルギー消費量は、基礎代謝が約60%、活動代謝が約30%、食事誘発性熱代謝が約10%であるため、基礎代謝量を上げることがいかに大切かが分かるでしょう。
※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
基礎代謝
基礎代謝とは、生体の基礎機能を維持するのに必要な代謝で、呼吸や循環、体温の維持、ぜん動運動、筋肉の緊張など人が生命を維持するために必要となる最低限のエネルギーのことです。1日の消費エネルギーの半分以上が基礎代謝によるものであり、ただ寝ているだけでもエネルギーを消費します。ただし体格や年齢、筋肉量などによって基礎代謝量は異なるため、太りやすい人・痩せやすい人の差が出てきます。一般的に基礎代謝量は加齢によって低下するため、若い頃と同じ食事を取っているのに太りやすくなる方も多いでしょう。
基礎代謝量は高ければ高いほど太りにくい体質といえるため、ダイエットの際にも基礎代謝量を上げることが注目されることが多いです。中でも熱を産出する筋肉は、基礎代謝の中でも多くのエネルギーを消費しています。
活動代謝
活動代謝は、文字どおり活動によって消費するエネルギーのことです。運動による活動代謝と、家事や仕事などの日常生活による活動代謝の2つがあります。
活動代謝によるエネルギー消費量には個人差がありますが、標準的な身体活動レベルの方が活動代謝によって一日に消費するエネルギー量は、先述のとおり総消費エネルギー量の約30%と言われています。
習慣的に運動を行っている人の活動代謝量が高いのは当然ですが、力仕事や移動・立位の多い仕事、育児中などの方は、特別な運動を行っていなくても身体活動レベルが高くなることがあります。
一方で一日のほとんどを静かに過ごし、仕事も座位が中心という方などは、は身体活動レベルが低く活動代謝量も低くなりがちです。
※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
食事誘導性熱代謝
私たちは食べるという行為だけでもエネルギーを消費しています。食べ物を咀嚼する、腸で消化吸収するなど、食事による生体の働きで消費されるエネルギーのことを食事誘導性熱代謝(DIT)といいます。
食事によって栄養素が体内に吸収され分解されると、その一部は体熱となります。熱はエネルギーですから、食事をした後は安静にしていても代謝量は増えます。食後に体が温かくなるのは、食事誘導性熱代謝によるものです。
食事誘導性熱代謝は一日の消費エネルギーのうち約10%を占めるといわれますが、何を食べたかによっても変わります。タンパク質のみ摂取した場合には摂取エネルギーの約30%、糖質のみ摂取した場合は約6%と大きな差があるため、太りにくい食事をするには食事内容にも気を配る必要があります。
※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」 ※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生 / DIT」
代謝量を上げる10の方法
より多くのエネルギーを消費するには、基礎代謝・活動代謝・食事誘導性熱代謝を意識することが大切です。ここでは、代謝量を上げるための10の方法を紹介します。習慣化することが大事なので、自分にできそうなこと、続けられそうなことから始めてみましょう。
筋力トレーニング
私たちの体の中で多くのエネルギーを消費するのは、脳・肝臓・筋肉です。脳や肝臓はその重量を増やすことはできません。しかし筋肉はトレーニング(筋トレ)によって増やすことができ、基礎代謝量の向上につながります。また筋トレによって活動代謝量を上げることもできます。
筋トレは、一言でいえば筋肉に負荷をかける動作を繰り返す運動のこと。その種類には、ダンベルやマシンなどの器具を用いて行うウェイトトレーニングと、自分の体重を利用して行う自重トレーニングがあります。
なおウェイトトレーニングを行う場合、自分の体力や筋力にあった負荷がどのくらいなのか把握する必要があるため、初心者の方はスポーツジムでトレーナーに筋力測定などを行ってもらうことをおすすめします。
有酸素運動
有酸素運動とは、酸素を取り込みながら長時間継続して行う運動のことです。ウォーキングやジョギングに代表される他、サイクリングや水泳、エアロビクスなども有酸素運動になります。
食事で摂取したエネルギーのうち、糖質はまず肝臓や骨格筋などにグリコーゲンとして貯蔵されますが、体内に貯蔵できるグリコーゲンには限界があり、余った糖質は中性脂肪となって貯蔵されます。運動すると貯蔵されたグリコーゲンを分解してエネルギーとして使うため、本来ならばグリコーゲンが切れた時点で運動を続けられなくなってしまいます。
その状態で運動を続けると、身体は体脂肪を分解してエネルギー源とする方法に切り替わります。これが有酸素運動で痩せる仕組みです。
体脂肪を分解するのには、大量の酸素を必要とします。そのため有酸素運動はある程度の時間続け、酸素を取り入れながら行うことが必要なのです。有酸素運動によって体温が上がり血流が多くなるとさらに体脂肪が燃焼され、いったん燃焼が始まれば数時間は脂肪燃焼しやすい状態が続きます。
また、有酸素運動は運動中に心臓と呼吸器系統を活性化させることで、酸素を体内に取り込み二酸化炭素を排出する能力を向上させます。心臓は強く収縮して酸素を体中に送り込むため、心肺機能が向上し、血液中の酸素供給量が増える効果もあります。
HIIT(高強度インターバルトレーニング)
HIIT(ヒート)とは「High-Intensity Interval Training」の頭文字を取ったもので、日本語にすると高強度インターバルトレーニングとなります。トレーニング後もエネルギー消費が高い状態が続くので、代謝量を上げることができます。
HIITでは高い負荷の運動と低い負荷の運動を交互に行うため、短時間で効果的な脂肪燃焼が期待できます。数十秒ではあってもかなり負荷が高い運動なので、心肺機能の強化や筋力アップ、体力の向上なども期待できるでしょう。
運動のために時間が取れない場合や、短期間で結果を出したい方に向いています。
ヨガ・ピラティス
数千年の歴史を持つといわれるヨガと、1881年頃にジョセフ・F・ピラティスによって発案されたピラティス。どちらも人気のエクササイズですが、共通するのはインナーマッスルを強化するという点です。
ヨガは紀元前に発祥したともいわれ、流派が細分化されて効果もさまざまですが、腹式呼吸による深いリラックス効果や筋肉や腱のストレッチによる基礎代謝量の向上が期待されます。
ピラティスは元々負傷兵のリハビリを目的としたものなので、誰にでも行えるエクササイズが特徴。器具やマシンを使ったものもあり、インナーマッスルの増強とともに代謝量を向上させる効果が期待できます。
タンパク質中心の食事
代謝量を上げるには筋肉を増やすのが有効です。筋肉はタンパク質が主成分なので、タンパク質を意識した食事を取ることが大切といえます。原則として一日の食事は、タンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素のバランスが取れていることが重要ですが、代謝量を上げたいときにはタンパク質を中心とした献立を考えてみましょう。
1日に必要なタンパク質の量は、体重1㎏につき1gといわれ、体重が50㎏なら50gのタンパク質ということになります。食品に含まれるタンパク質量をよく確認してみてください。例えば、納豆にすると300gの量になります。
またタンパク質は食べるだけでエネルギーを消費する食事誘導性熱産生も大きくなり、食事で摂取したエネルギーの約30%が熱となって消費されます。
なお筋トレとタンパク質中心の食事を組み合わせると、筋肉量を増やせるだけでなく体温も上昇し、代謝がさらに向上します。ただし消費エネルギー量よりタンパク質摂取量が多かったり、タンパク質と一緒に糖質や脂質も多く摂っていたりすると、脂肪となってしまう可能性があるので気をつけましょう。
※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生 / DIT」
水分の補給
人間の体は約60%が水分で、水分の20%を失うと命を失う危険性もあります。血液の50%以上を占めている血しょうは約90%が水分であり、水分が不足すれば血流が悪くなり代謝も正常に行われなくなってしまいます。
私たちは呼吸や汗、尿、便などで1日に2.5Lの水分を排出しています。つまり1日に水分を2.5Lは摂取しなければ、さまざまなところで不具合が起きる可能性が高まるのです。
摂取すべき2.5Lのうち、1Lは食事によって摂取でき、体内でも0.3Lは水が作られます。そのため残りの1.2Lを飲む必要があります。代謝量を上げるには1日1.5〜2Lの水分を飲むことを心がけましょう。
ただし糖分の多い清涼飲料水、利尿作用のあるカフェインを含むお茶やコーヒー、同じく利尿作用の強いアルコールは補給する水分としておすすめできません。摂取水分量に含めないようにしましょう。水分補給には水やカフェインを含まない麦茶などが適しています。
十分な睡眠
睡眠が健康や美容に大切なことは周知の事実ですが、代謝にも大きく影響していることが分かっています。睡眠中には細胞の修復や再生、肌のターンオーバーを整えるなどの働きがある成長ホルモンが分泌されます。睡眠不足になると成長ホルモンが十分に分泌されず、代謝量が落ちて太りやすくなるだけでなく肌荒れなどのトラブルも招いてしまいかねません。
また睡眠中には食欲を抑制してくれる「レプチン」というホルモンも分泌されていますが、睡眠不足になると食欲を増進させる「グレリン」の分泌が増えてしまい、食べ過ぎるようになってしまう可能性があります。
朝はしっかり朝日を浴び、質のよい十分な睡眠をとるようにしましょう。
ストレスの解消
私たちは、日々ストレスにさらされて生活しています。ストレスを感じると交感神経が刺激され、ドキドキしたり血圧が上がったりします。これはコルチゾールという副腎皮質ホルモンの一種の働きによるもので、血管を収縮させて血圧を上げる、糖を産出して血糖値を上げるなどを行ってストレスに対応しようとしているのです。
この反応自体は生きるために必要な仕組みなのですが、慢性的なストレスにさらされると代謝異常を起こし血圧や血糖値が上がることにつながります。さらにはコルチゾールの材料となる「悪玉コレステロール」であるLDLコレステロールが増加し、脂質異常などをまねいてしまうケースもあるでしょう。
ストレスの感じ方には個人差がありますが、代謝異常を回避して代謝量の高い状態を維持するには、早めに発散してストレスをためないことが大切です。
適度なカフェイン摂取
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインは、集中力を高めたり、代謝を高めて脂肪燃焼を促したりする効果があります。カフェインを摂取してから運動をすると代謝量が上がり、脂肪を燃焼する効果がさらに高まることも期待できます。
ただし、カフェインを過剰に摂取すると中枢神経系を刺激し、健康を害することもあるため、コーヒーなら1日2〜3杯までがおすすめです。
またカフェインには覚醒効果もあるため、寝る前などに飲むと睡眠を阻害することも。カフェインの効果は一定時間持続するので、夕方以降はカフェインを取らないようにするとよいでしょう。
入浴・サウナ
基礎代謝量を高めるには体を温めることが効果的です。入浴やサウナは体を芯から温めてくれるので、体温が上がり代謝量も上がります。また副交感神経が優位になるためリラックスでき、自律神経を整える効果も期待できます。
体が温まることで血液やリンパの流れもよくなり、むくみにくくなるメリットも。忙しくてもシャワーだけで済ますことはせず、湯船に浸かることをおすすめします。
ただし脱水状態になるのを避けるため、入浴の前後にはコップ1杯の水を飲み、浸かりすぎには注意してください。サウナに入る場合にも、無理はせず体調を見ながら入りましょう。
まとめ
代謝についての解説と、代謝量を上げるための10の方法を紹介しました。大切なのはこれらの習慣化です。特に筋トレや有酸素運動は、将来の健康のためにもぜひ習慣にしたいものといえるでしょう。
筋トレや有酸素運動を自分の意思だけで続けるのは大変なことです。そのため運動を習慣化させるには、スポーツジムに通うことをおすすめします。スポーツジムでトレーニング仲間を作るのもよいですし、トレーナーの指導のもと効率的にトレーニングすることも有効です。
ご関心のある方は、お近くの スポーツクラブNASの店舗 にぜひお問い合せください。
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