効果的なジョギング方法とは? 正しい走り方と注意すべきピントを解説
健康や美容のために、ジョギングを始めようと考える人もいるでしょう。では、ジョギングにはどのようなメリットがあって、何に気をつけて行えばよいのでしょうか。
この記事では、ジョギングの定義やメリット、正しくジョギングを行う際のポイントを解説します。
目次
Toggleジョギングとは
初めに、ジョギングの定義やランニング・ウォーキングとの違いについて解説します。
ジョギングの定義
ジョギングに明確な定義はありません。そこで、国立健康・栄養研究所が発表している身体活動の強度による分類を紹介します。
身体活動の強度を分類するメッツ(METs)という指標があります。メッツとは、身体活動の強度を安静時(座って楽にしているときや横になっているとき)の何倍のエネルギー消費に相当するかで表す単位です。
国立健康・栄養研究所が発表している「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」によると、ジョギングは7.0メッツです(※)。7.0メッツとは、サッカーやバスケットボール、水泳などと同程度の活動で、思っている以上にエネルギーを消費できることが分かります。
一般的には、早歩きより少し早い程度の小走りをジョギングといいます。ウォーキングとランニングの中間くらいのスピードと考えられる場合が多いでしょう。
※参考:国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」
ランニングとの違い
メッツによると、ランニングはジョギングより幅広く分類されています。6.4km/時のランニングだと6.0メッツでジョギングより低いですが、22.5km/時では23.0メッツと分類されています(※)。
ジョギングよりも負荷が低い分類もあるものの、ランニングは基本的にジョギングよりもスピードも心拍数も高くなるトレーニングです。
そのため軽い会話をできる程度の負荷である場合はジョギング、息が上がったり息切れしたりするくらいのスピードで走っているタイムの向上やボディメイクなど、目的に合わせて走る距離が長かったりスピードが早くなったりするのがランニングと考えられる場合が多いでしょう。
ウォーキングとの違い
ウォーキングとは歩行のことです。走行は地面に身体が接していない時間があるのに対し、歩行は片足のどちらかが必ず地面に接しているという違いがあります。
ウォーキングは、一般的にジョギングやランニングよりも運動強度が低いです。国立健康・栄養研究所の「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」にはウォーキングの指標がないものの、散歩は3.5メッツです。
一方で競歩は6.5メッツと、6.4km/時のランニングの6.0メッツより高い運動強度になっています(※)。
基本的にウォーキングの運動強度は低いものの、大股で早歩きすることでジョギングに近い強度を得られます。また歩行は、走行に比べて重心の上下動が少ないため、膝や足首などの関節にかかる負担が少なく、ケガをしづらいメリットもあります。
ジョギングのメリット
次に、ジョギングを行うことで得られるメリットを紹介します。ジョギングのメリットには主に以下のことがあります。
- ・ 脂肪燃焼効果
- ・ 生活習慣病の予防
- ・ ストレス軽減
- ・ 良質な睡眠
それぞれ詳しく見ていきます。
脂肪燃焼効果がある
ジョギングは有酸素運動です。有酸素運動では、主なエネルギー源に脂質が使われます。そのため、ジョギングには体脂肪を燃焼させる効果が期待できます。
脂肪を燃やすためには、20〜30分以上の運動の継続が理想です。数分で限界がくるような強度の高い運動は無酸素運動の要素が強く、脂質よりも糖質がエネルギー源として使われます。そのため、強度が高すぎるとあまり脂肪は燃えてくれません。
また、ダイエットには継続が必要です。1回の運動で燃やせる脂肪はあまり多くないため、目に見えた成果を出すには数ヶ月ジョギングを続ける必要があります。
強度が高い運動は精神的にも辛いため、継続するのは簡単ではありません。ジョギングは軽く息が上がる程度の負荷であるため、無理せず続けられます。
生活習慣病の予防になる
ジョギングは生活習慣病の予防にもなります。生活習慣病とは、食事や運動をはじめ喫煙や飲酒など普段の生活を起因とした病気の総称で、がんや高血圧、脳卒中、糖尿病などが当てはまります。生活習慣病の予防に、習慣的な運動や身体活動の増加が効果的であることがわかっています。厚生労働省も、生活習慣病の予防に運動を習慣化することや身体活動の増加が効果的であるとして、運動療法を推奨しています。ここでは一例として、高血圧症と糖尿病対策の運動療法についての記載を紹介します。
高血圧症
”運動療法として、運動の頻度は定期的に(できれば毎日)実施し、運動量は30分以上、強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動が一般的に勧められています。運動療法により降圧効果が得られ、高血圧症が改善されます。”
糖尿病
”運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病を改善します。運動療法の目標として、運動の頻度は週に150分かそれ以上、週に3回以上、運動強度は中等度(ややきつい)の全身を使った有酸素運動、運動持続時間は20分以上行うことが一般的に勧められています。”
このように生活習慣病の予防のためには、ジョギングのようなややきつい程度の有酸素運動を1回20〜30分以上、週3回以上行いましょう。有酸素運動によって余分な内臓脂肪や体脂肪を燃やして血圧を下げることで、生活習慣病の予防になります。
ストレスを軽減する
ジョギングにはリラックス効果があり、ストレスを軽減することができます。適度な負荷の運動を数十分続けることで、脳内にはエンドルフィンというホルモンが分泌されます。
このエンドルフィンは疲労感や苦痛を軽減したり、幸せを感じさせたりする働きがあるホルモンです。ランニングによってこのホルモンが分泌された状態を「ランナーズハイ」といい、多幸感を感じてリフレッシュすることができます。
また運動によって汗をかくことも、ストレス発散になります。ストレス発散を目的とするならば、少し息が上がるくらいの強度で20〜30分ほどのジョギングを続けましょう。
良質な睡眠を得られる
身体への負荷が軽いジョギングのような有酸素運動は、良質な睡眠にもつながります。良質な睡眠を得るには、適度な運動量が必要です。ただし、運動のしすぎでも、睡眠には悪影響になるため注意が必要です。
その点ジョギングは、睡眠のためにちょうどよい負荷の運動といえます。ジョギングを行うことで寝つきがよくなり、睡眠が深くなる効果が期待できるでしょう。
また、運動のタイミングも重要です。睡眠直前の運動は身体を覚醒させてしまい、睡眠の質を低下させてしまいます。ぴったりなのは、睡眠の3時間前です。運動をすることで一時的に脳の温度が上がり、寝る頃に下がることでスムーズに入眠できます。
正しいジョギングを行うポイント
正しいジョギングを行う際に、留意すべきポイントを紹介します。ジョギングを行う前に下記を確認して、無理なく安全にジョギングを始めましょう。
- ・ ストレッチ・ウォームアップを行う
- ・ 無理のない距離・スピードから始める
- ・ 正しいフォームを意識する
- ・ 心拍数を意識する
- ・ シューズやウェアにこだわる
- ・ 熱中症に気をつける
- ・ 交通事故に気をつける
ストレッチ・ウォームアップを行う
いきなりジョギングを始めると、筋肉や関節に負担がかかります。始める前に、軽いストレッチを行いましょう。特に下記の筋肉を重点的にストレッチしてください。
- ・ 腓腹筋(ふくらはぎ)
- ・ 大腿四頭筋(太もも前)
- ・ ハムストリングス(太もも後ろ)
- ・ 内転筋(内もも)
- ・ 大臀筋(お尻)
ストレッチをして筋肉の柔軟性を高めておくことで、ケガの予防になります。
またウォームアップも重要です。いきなり走り始めるのではなく、ウォーキングから始めましょう。ゆっくり歩き始めて徐々にスピードを上げていき、ジョギングに移行してください。
走り始める前にウォームアップをして筋肉の温度を高めることもケガの予防になります。また、関節への負荷を少しずつ高めていくことも、膝や足首の故障を防げるでしょう。
無理のない距離・スピードから始める
ジョギングは、無理のない距離・スピードから始めましょう。ジョギングを続けるためには、無理をしないことが重要です。
ジョギングは、心肺機能にも負荷をかけます。いきなり負荷をかけすぎると、息苦しく辛い思いをすることになり、なかなか長続きしません。また翌日以降に疲れが残り、日常生活を送るのが大変になってしまう可能性もあります。
また、無理をすることで筋肉や関節に負荷をかけすぎて、痛めてしまう可能性もあります。一度痛めると、治るまではジョギングができなくなってしまい、ジョギングを辞めざるを得ない可能性が高まってしまうでしょう。
ジョギングの効果を得るには、継続することが重要です。短期的な成果を得るために無理をするのではなく、長期間続けることを優先して、少しずつ始めることが重要です。
正しいフォームを意識する
正しいフォームで走らないと、ムダが増えるため疲れやすくなります。また、関節や筋肉にも負荷がかかるため、ケガのリスクも高まります。以下のポイントを意識して走りましょう。
- ・ 頭はまっすぐにし、目線もまっすぐ前を見る
- ・ 腕は体の横で後ろに引いて曲げ、大きめに前後に振る
- ・ 背中をまっすぐにし、骨盤前傾を保つ
- ・ 着地する足は、身体の真下にくるようにする
- ・ 内股にならないようにする
- ・ 足を後ろに蹴りすぎない
- ・ 歩幅を無理に広げない
正しいフォームで走ることで、スピードも走行距離も向上するため、成長を実感できるでしょう。また、筋肉や関節への負担が減って疲労も減るため、より継続しやすくなります。
心拍数を意識する
有酸素運動では、心拍数が指標になります。ジョギングでは、最大心拍数の60~70%程度まで上げましょう。この強度なら十分に効果が得られる上に、無理なく続けられます。
最大心拍数は「220-年齢」で求めることができます。例えば40歳なら、220-40=180なので、最大心拍数は180です。180の60〜70%なので、108〜126が目標の心拍数になります。
可能であれば、心拍数を計測できるスマートウォッチやセンサーを用意しましょう。もしない場合は、指で脈を測ることもできます。
利き手の人差し指・中指・薬指で、利き手じゃない方の手首の動脈を10秒間測ります。その数値を6倍すると、1分間の脈拍になります。
※出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「運動強度とは」
シューズやウェアにはこだわる
シューズやウェアは、こだわって選びましょう。特にシューズはケガの予防にも重要です。ランニング専用でクッション性に優れたものを選びましょう。着地の衝撃を軽減できるシューズを選ぶことで、ケガのリスクを減らすことができます。
また、ウェアは季節に応じて通気性や保温性の高い素材を選びましょう。夏は、通気性が高いウェアを着ることで熱中症を予防できます。一方で冬は保温性の高いウェアを選んで防寒しましょう。
そしてインナーウェアも、好みのものを選んでください。コンプレッションウェアと呼ばれる肌に密着するタイプのウェアは、汗をかいたところだけ肌に密着する不快感がありません。一方で、コンプレッションウェアが苦手な人もいます。快適にジョギングするためにも好みで選びましょう。
さらに、ウェアもシューズも好きなデザインを選ぶことで、ジョギングするモチベーションが上がります。ぜひ、デザインにもこだわりましょう。
熱中症に気をつける
暑い季節は、熱中症に気をつけましょう。ジョギング中は汗で水分を失うので、こまめな水分補給が必要です。塩分やカリウムなどの電解質や、糖質も補給してください。
服装や帽子の工夫も大切です。洋服は、メッシュタイプのものや接触冷感インナーが販売されているので、熱中症対策におすすめです。帽子は遮光性機能やUVカット機能のあるものがなおよいです。
また、首に巻ける冷感タオルやクールリングなども活用しましょう。
交通事故に気をつける
ジョギングでは公道を走る場合が多いため、交通事故には十分に注意しましょう。できるだけ歩道を利用して、必ず信号を守ってください。交通事故にあってしまうと、ジョギングが続けられなくなるだけでなく、日常生活にも大きな支障をきたす可能性があります。
安全第一で、ジョギングを楽しんでください。
まとめ
ジョギングは手軽に始められますが、効果を実感するには継続して取り組む必要があります。ストレッチやウォームアップで体への負担を減らすことも大切ですが、一人では辛いと感じる場面もあるでしょう。そこで、ジョギング仲間をつくるのもおすすめです。仲間を作ることで、一緒にジョギングを頑張れたり、人脈が広がったりする可能性があります。
ジョギング仲間・トレーニング仲間をつくるなら、スポーツジムの入会を検討しましょう。スポーツジムでランニングマシンを活用すれば、もっと手軽にジョギングなどの有酸素運動が可能です。専門知識を有したトレーナーの指導を仰ぐこともでき、交通事故のリスクもありません。
ジョギングがなかなか続けられない方や運動に関心のある方は、お近くの スポーツクラブNASの店舗 までぜひお問い合わせください。
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