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ダイエットでカロリー制限をする際の目安|基礎代謝についても解説

ダイエットでカロリー制限をする際の目安|基礎代謝についても解説

食事を意識したダイエットにおいて、糖質やエネルギーを摂取しすぎるとなかなか効果が出ないことがあります。糖質は炭水化物を構成する主要な成分で、甘味料や果物、さらにイモ類や白米・パンといった穀類(主食)にも多く含まれています。

「高カロリー食品は控えるべき」というイメージはあるものの、具体的に何を指しているのか、ダイエット中にどれくらい摂取すべきなのかを理解できていない方も少なくありません。

そこで今回は、カロリーやエネルギーの基礎知識からダイエット中の1日あたりの摂取エネルギーの目安、さらに摂取エネルギー制限でダイエットを成功させるためのコツまで詳しく紹介します。

そもそもカロリーとは?

カロリーとは、食品からの摂取エネルギーと、生命維持や身体活動による消費エネルギーを表す単位のことです。

1calは、水1gの温度を1℃上昇させるために必要なエネルギー量を意味しています。1kcalは1calの1,000倍(1,000cal=1kcal)で、食品のエネルギー量を記載する際など、日常でもよく用いられる単位です。

エネルギー源となるのは、三大栄養素である炭水化物・脂質・タンパク質です。中でも最もエネルギー量が高いのは脂質であり、脂質が多い食品ほどエネルギー量が高くなりやすい傾向にあります。

また、エネルギー摂取量とエネルギー消費量のバランスが体重の増減に直結します。

例えば、100kcal分のエネルギーをもつ食品を摂取し、運動などの身体活動で100kcal分のエネルギーを消費できなかったとします。消費できなかった余分なエネルギーは体内で脂肪に変わり、体脂肪として貯蔵されます。

反対に、100kcal分のエネルギーをすべて消費でき、エネルギー摂取量がエネルギー消費量を下回った場合、体は不足分のエネルギーを補うため体内に蓄積された脂肪を分解して利用します。その結果、脂肪が減少して体重が減ります。

このように、ダイエットを成功させるためには、運動や食事によるエネルギーコントロールが重要であることを理解しておくことが大切です。

出典:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 Ⅱ 各 論1 エネルギー・栄養素」

出典:千葉県富津市「体重コントロール(健康的に痩せる) カロリーと体脂肪の関係」

ダイエット中の摂取エネルギーの目安

エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回れば体重が増加し肥満につながり、反対にエネルギー摂取量がエネルギー消費量を下回れば体重が減少し「やせ」につながります。目標体重を目指してダイエットを始める際は、ダイエット期間や運動習慣等も考慮して、1日に何キロカロリーを減らせばよいかを考え、エネルギーコントロールをする必要があります。

しかし、1日あたりどれほどのエネルギーを摂取すべきかは、人によって大きく異なることも特徴です。自分に合ったエネルギー摂取の目安を知るためにも、まずは「基礎代謝で消費するエネルギー」と「運動などで消費するエネルギー」について知っておきましょう。

出典:厚生労働省「Ⅱ各論 1 エネルギー・栄養素」

基礎代謝で消費するエネルギー

基礎代謝とは、人間が生命を維持するために必要となる「最低限のエネルギー消費量」のことです。「運動などをせず安静に過ごしていても勝手に消費されるエネルギー」であり、基礎代謝の量は筋肉量によって大きく異なることが特徴です。

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準」では、体重1kgあたりの基礎代謝量の代表値が算出されています。この基礎代謝量基準値を参照体重にかけ合わせることで、およその基礎代謝量を算出できます。

体重1kgあたりの基礎代謝基準値は、性別・年齢層ごとに下記のようになっています。

【男性】

年齢 基礎代謝量 参照体重 参照体重時の
基礎代謝量基準値
18~29歳 23.7kcal 63.0kg 1,490kcal
30~49歳 22.5kcal 70.0kg 1,570kcal
50~64歳 21.8kcal 69.1kg 1,510kcal
65~74歳 21.6kcal 64.4kg 1,390kcal

【女性】

年齢 基礎代謝量 参照体重 参照体重時の
基礎代謝量基準値
18~29歳 22.1kcal 51.0kg 1,130kcal
30~49歳 21.9kcal 53.3kg 1,170kcal
50~64歳 20.7kcal 54.0kg 1,120kcal
65~74歳 20.7kcal 52.6kg 1,090kcal

出典:厚生労働省「Ⅱ各論 1 エネルギー・栄養素」

たとえば、30~49歳で体重が70kgの男性であれば、1日の基礎代謝量は1,570kcalとなります。

運動などで消費するエネルギー

摂取したエネルギーは、基礎代謝のほか運動をはじめとした身体活動によっても消費されます。この身体活動によるエネルギー消費を把握するためには、「身体活動レベル」という指標が用いられます。

身体活動レベルとは、日常生活でどれくらい体を動かしているかを示す指標です。身体活動が多いほど消費エネルギーも増えるため、ダイエットや健康維持においては欠かせない要素となります。

また、身体活動レベルは主に下記3つのカテゴリに分類されます。

低い 生活における大部分が座位で、ほとんど運動をしない
普通 座位の生活が中心だが、軽い運動など一定の活動量がある
高い 肉体労働をしている、または日常的に運動・スポーツをしている

また、厚生労働省の発表によると、18~64歳における身体活動レベルの基準値は、「低い」の場合1.50、「普通」は1.75、「高い」で2.00です。

これらの基準値を基礎代謝量と掛け合わせることで、1日の推定エネルギー必要量とダイエット中の摂取エネルギー目安量が分かります。

例えば、基礎代謝量が1,200kcalで身体活動レベルが「普通」の場合、1日の消費エネルギーは「1,200kcal×1.75」で2,100kcalとなります。したがって、 ダイエット中の摂取エネルギーは1,200kcal~2,100kcalの間に抑えることがポイントです。

出典:厚生労働省「Ⅱ各論 1 エネルギー・栄養素」

エネルギー制限でダイエットを成功させるコツ

1日の摂取エネルギーを抑えながらダイエットを行うときは、次の点に気をつける必要があります。

  • 極端にエネルギーを減らしすぎない
  • 栄養バランスの取れた食事を取る
  • 良い睡眠を取る
  • 運動と組み合わせる

これらは、健康的かつ無理なくダイエットを実現するためのコツでもあります。最後に、それぞれのポイントについて詳しく紹介します。

極端にエネルギーを減らしすぎない

エネルギー計算によって「食べ過ぎ」と感じ、極端にエネルギー摂取量を減らそうとする方も少なくありません。

基礎代謝量以下のエネルギーしか摂取できない食事を長期間続けると、体は消費するエネルギーを節約するため、代謝を下げてしまいます。代謝が低下した状態では効率的にエネルギーを消費できなくなり、かえってリバウンドしやすくなる点に注意が必要です。

また、極端にエネルギーを減らすことで、疲れやすくなる・免疫力が低下する・ホルモンバランスが乱れるといった体の不調も現れやすくなります。無理な食事制限は健康を損なう原因となるため、1日の摂取エネルギーは最低でも基礎代謝量以上を維持することが大切です。

栄養バランスの取れた食事を取る

エネルギーを意識して減量を目指すときは、栄養バランスに考慮することも欠かせません。ダイエット中に特に摂取しておきたい栄養素としては、下記が挙げられます。

栄養素 役割 主な食材
タンパク質 筋肉の維持 肉類・魚介類・大豆製品
食物繊維 消化のサポート 野菜・穀物類
ビタミン・ミネラル 代謝のサポート 野菜・果物

エネルギー制限中はどうしても食事量や食事内容が偏りやすくなりますが、必要な栄養素が不足すると代謝が低下したり体調を崩したりする可能性があります。エネルギー制限だけに目を向けず、栄養価の高い食材を取り入れることも心がけておきましょう。

良い睡眠を取る

ダイエットと睡眠には、密接な関係があります。質の良い睡眠が十分に取れていないと、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増え、反対に食欲を抑えるホルモン「レプチン」が減少するため、太りやすい体質になるおそれがあります。

反対に、質の良い睡眠はホルモンバランスが整い、食欲をコントロールしやすくなります。さらに、十分な睡眠はストレスの軽減も期待でき、無理のないダイエットにもつながるでしょう。

質の良い睡眠を取るためには、規則正しい睡眠習慣をつくることが最も重要です。寝る前はスマホを触らずできる限り目を閉じてリラックスしたり、心身が落ち着く就寝環境をつくったりすることもポイントとなります。

運動と組み合わせる

運動は消費エネルギーを増加させるため、ダイエットにおいては非常に有効です。食事ばかりに目を向けるのではなく、運動習慣をつけることも心がけましょう。

運動は、大きく「有酸素運動」と「無酸素運動」の2つに分類されます。

有酸素運動とは、酸素を利用して糖質や脂質をエネルギー源とする運動です。筋肉への負荷が比較的軽く、長時間続けられる点が特徴となっています。そして無酸素運動は、筋トレをはじめとした「短時間かつ高強度の運動」を指します。筋肉量や筋力を増加させ、筋機能を向上させる効果があります。

有酸素運動で筋肉量の増加はさほど見込めませんが、20分以上継続することで体脂肪が燃焼されやせの効果が期待できます。無酸素運動では、体脂肪の燃焼はされませんが、筋肉量の増加ができ、基礎代謝量の向上が期待できます。

いずれか一方に偏ることなく、両者をバランス良く組み合わせることが、ダイエットを成功に導くためのカギと言えるでしょう。

まとめ

自分の推定エネルギー必要量は、基礎代謝で消費するエネルギーと身体活動で消費するエネルギーを求めることで把握できます。摂取したエネルギーが消費したエネルギーを上回った場合は太りやすくなり、反対に摂取したエネルギーが消費するエネルギーを下回った場合は痩せやすくなります。

エネルギー制限ダイエットを成功させるためには、栄養バランスの取れた食事や良質な睡眠を心がけるほかに、運動との組み合わせも重要です。

スポーツクラブNAS」では、運動や食事指導に関する専門知識を有したトレーナーが在籍しています。自分に合った食生活・運動方法を維持しながらダイエットを成功させたいという方は、ぜひお近くの店舗までお気軽にお問い合わせください。

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須田 華緒里

監修者情報

須田 華緒里スポーツクラブ NAS 株式会社 管理栄養士

大学で栄養学を学び、管理栄養士の資格を取得。
スポーツクラブ NAS で栄養講座や個別栄養指導、スタジオレッスンやキッズスイミングの指導を行いながら、店舗の運営業務全般に携わり、マネージャー業務にも従事する。多方面からお客様の健康をサポートしている。

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